チョ・ジェボムは2014~2017年の3年近くにわたり、泰隆(テルン)選手村や鎮川(チンチョン)選手村、韓国体育大学スケートリンクなど、あらゆる場所で、シム・ソクヒに性的暴行やセクハラを加えた疑いがもたれていた。
犯行はシム・ソクヒが当時満17歳(高校2年生)だった2014年8月から、平昌冬季五輪が開催される直前の2017年12月まで続いたとされている。
大法院は、同事件の最も重要な証拠と言えるシム・ソクヒの供述を十分に信じることができると、1審から3審まで一貫して判断した。
シム・ソクヒが残した練習日誌やメモ、メールなどをもとに、犯行の日付や場所、チョ・ジェボムの行為、被害当時の心理状態などを明確かつ具体的に供述したためだ。
1審はチョ・ジェボムの容疑を有罪と認め、懲役10年6カ月を言い渡した。チョ・ジェボムは2審で「合意の下で性的関係を持ったことはある」という主張を展開したが、「被害者に対する2次加害」と指摘され、懲役13年に量刑が延長された。
大法院は判決理由について、「被告人の年齢や環境、被害者との関係、犯行の動機、手段、結果、犯行後の情況などを考慮すると、懲役13年が極めて不当であるとは言えない」と説明している。
なお、性的暴行を受けたシム・ソクヒは1997年生まれの24歳。2014年ソチ五輪で金1、銀1、銅1のメダルを獲得、2018年平昌五輪でも女子3000mリレーで金メダルを獲得するなど、若くから韓国ショートトラックのエースとして活躍した選手だった。
ただ、今年10月、とある韓国メディアによって平昌五輪当時の代表チームメイトに対する悪口が書かれたモバイルメッセージが公開されると、謝罪、さらには代表チームから除外される事態に。一方、同時に浮上した平昌五輪での八百長疑惑については否定をしている。
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