アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦で日韓対決が連続するなか、韓国王者の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースはホームにタイ王者を迎える。
全北現代は本日(9月15日)、ホームの全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場で行われるACL決勝トーナメント1回戦で、昨季タイリーグ王者のBGパトゥム・ユナイテッドと対戦する。
この試合では、今夏にレンタルで全北現代に加入したタイ代表DFササラック・ハイプラコーン(25)が初めて先発出場する見通しだ。ササラックは全北現代加入後、現在まで途中出場2試合、総出場時間はわずか18分にとどまっている。
そんなササラックは、14日に行われた前日記者会見にキム・サンシク監督とともに出席した。
キム監督は、相手がタイのチームであるだけに、なおさらササラックを積極的に活用するようだ。客観的な戦力でも全北現代が優位を占めており、パトゥム戦から中2日の18日にはKリーグ1(1部)第30節の水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングス戦も控えているため、ローテーションが求められている。
加えて、ササラックはパトゥムというチームを全北現代の誰よりもよく知っている選手だ。さまざまな観点から見てもササラックを起用することは適切であり、一種の“切り札”とも言えるだろう。
キム監督は「ササラックはこれまで多くの試合でプレーできなかった。だが、今回がおそらく初めて先発で出場する試合になるだろう。これまで一生懸命トレーニングをしながらしっかりと準備してきた」とし、「“敵を知り、己を知れば百戦危うからず”という言葉がある。(ササラックは)相手を最もよく知る選手なだけに、上手く攻略してくれると思う」と期待を示した。
バンコク・ユナイテッドやブリーラム・ユナイテッドでプレーしたタイリーグ時代に何度もパトゥムと対戦しただけに、その経験が全北現代にとって大きく役立つという考えだ。
ササラック自身の覚悟も特別だ。全北現代での競争力を立証すると同時に、タイのサッカーファンにも自分が健在であることを知らせなければならない。韓国では途中出場でしかプレーしていないため、初めてつかんだ先発出場のチャンスを上手く活かす必要がある。
ササラックは「タイのチームと対戦することが楽しみだ。パトゥムには親しい選手が多い。だが、兄や弟などそんなことを考えず、最高のパフォーマンスを見せつけたい。これまで多くの試合で出場できなかったが、チームにはうまく適応している。いつ来るかわからない状況のためにいつも準備している。自分の最高の姿をお見せしたい」と覚悟を明かした。
もっとも、全北現代にとって好材料は多い。ホームの全州ワールドカップ競技場で試合ができるうえ、パトゥムが監督不在で韓国にやってきたからだ。パトゥムを率いるアウレリオ・ヴィドマー監督は、自主隔離の問題で韓国遠征に同行しなかった。
キム監督は「普段であれば監督がベンチにいてもいなくても大きな問題はないが、仮に突発的な状況が起きたときの対処に違いがある」とし、パトゥムの監督不在が全北現代にプラスに作用すると伝えた。
それでも、キム監督は油断をしなかった。「選手の名前だけ見れば我々がリードしていると判断できるが、グループステージを通過したチームに弱いチームはいない。相手は組織力に優れている。決勝トーナメントは一発勝負だ。油断や自惚れをせず、最善を尽くして勝利したい」と語気を強めた。
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