それは必ず知らなければならない。彼はどんな体勢でもボールを蹴ることができ、常に新たな姿を見せてくれる。多少無理な動作でプレーすることもあるが、一つひとつが正確だ。 たまにチョン・ウヨンを相手に私自身もプレーしてみるのだが、彼は私の前で妙な動きをして消え去る。頭を上げて探すと、20mくらい遠くにいる。練習場を見守っていると、急に誰が吹っ飛んでいくのだが、それがチョン・ウヨンだ。本当に素敵だ。頭の回転が速く、状況判断能力にも優れている。動きを自由自在に変える能力が独特だ。
――チョン・ウヨンがさらに成長すべき点は？
仲間との連携プレー、そしてヘディングを必ず発展させなければならない。ここをウヨンが読むように、ぜひ記事に書いてくれ（笑）。彼は目的意識がはっきりしている。情熱もある。良くなる可能性があると信じている。彼はボールを取ると、必ずゴールを決めてみせるという意志を持って走る。それが目に見える。フォワードとして優れた彼の長所でもある。
インタビューが終わった後、ドイツの記者がハルガー監督のもとにやってきて「試合に勝ったから今日は選手たちがオクトーバーフェストに行ってもいいですよね？」と尋ねた。 オクトーバーフェストは毎年9月末から10月初めまでミュンヘンで行われる民俗祝祭で、ビール祭りだ。
ハルガー監督はここでチョン・ウヨンについて話した。彼は「（選手たちは）行ってもいい。だがチョン・ウヨンは駄目だ。彼は少々危険だ（笑）。そこでもどこに消え去るかわからないから」と冗談を言った。チョン・ウヨンの資質を例えたのだ。
ハルガー監督は「チョン・ウヨンがオクトーバーフェストに行くのなら、ニコ・コバチ監督（1軍）が連れている選手たちと行かなければならない。トーマス・ミュラーのような選手がチョン・ウヨンを見てくれれば、心配ないだろう」と話した。
（構成＝呉 承鎬）
