試合には敗れたが、キム・ヘソン(22)は野球韓国代表のなかで一人輝いていた。
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キム・ギョンムン監督率いる韓国は、8月5日に横浜スタジアムで行われた東京五輪野球の準決勝でアメリカに2-7で敗れた。
この日、キム監督は不振が続く打者を先発から外し、変化を試みた。捕手ヤン・ウィジ(34)に代わりカン・ミンホ(35)が入り、オ・ジェイル(34)のいた一塁手にキム・ヒョンス(33)、ファン・ジェギュン(34)のいた二塁手にキム・ヘソンが起用された。
試合に敗れたものの、キム・ヘソンは攻守で存在感を発揮した。
キム・ヘソンは守備に定評があったものの、打撃面が足りなかったために指揮官の選択から外れてきた。
オープニングラウンドでは先発二塁手で2度出場したものの、ノックアウトステージ進出後はファン・ジェギュンにポジションを明け渡していた。
キム監督としては、ファン・ジェギュンの方が打撃面で優れると判断してのことだった。しかし、ファン・ジェギュンに長打が見られなかったことで、再びキム・ヘソンを先発で起用した。
そして、キム・ヘソンは指揮官の期待に3安打で応えてみせた。「9番・二塁手」で出場したキム・ヘソンは3回表に初打席に立つと、ストレートをレフト前に運び、アメリカの守備シフトを完璧に破る安打を記録した。
5回表にも安打を放ち、韓国の初打点に貢献した。8番のホ・ギョンミン(30)が死球で出塁し、一死一塁の状況で、キム・ヘソンは右前安打を放った。そして、一死一、三塁のチャンスで1番のパク・ヘミン(31)が提示打を放ち、1点を取り返した。
6回裏の5失点で1-7となり、敗色が濃かった7回表にもキム・ヘソンは気を吐いた。一死二塁の状況でカットボールを遊撃手の方面に打ち返すと、俊足を生かして出塁に成功。見事3安打に成功した。
キム・ヘソンは守備でもチームに貢献した。
韓国は2回裏、二死二塁からジャック・ロペス(28)の中前安打で先制点を許した。そこで、二塁に野手がいないことを確認したロペスが二塁まで進塁を試みた際、捕手カン・ミンホの送球を受けたキム・ヘソンが、体を投げうってロペスにタッチした。
審判の最初の判定はセーフだったが、ビデオ判定の結果アウトに覆った。キム・ヘソンの好守備が追加の失点を防いだ瞬間だった。
ただ、キム・ヘソンの奮闘もむなしく、韓国はアメリカに敗れてしまった。試合後のインタビューでも、キム・ヘソンはわらうことができなかった。彼は決勝で日本と再び戦うことを望んでいたが、その思いは叶わなかった。
キム・ヘソンは「どうしても勝ちたかった試合だ。また日本と戦いたかったのに残念だ」とし、首を横に振った。
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