Vリーグ放映権料が総額30億円も東京五輪の悩み尽きない韓国女子バレーの泣き笑い

6シーズンで総額300億ウォン。これは韓国バレーボール連盟(KOVO)から届いたプレスリリースに記された数字だ。

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先週6月16日、KOVOは2005年シーズンから韓国プロバレーボールVリーグの主管放送社となっているKBS Nとの契約延長を発表。2026年-2027年シーズンまで6シーズンさらに追加延長したとこを明らかにした。

300億ウォンは円に換算すると約30億円。つまり、1シーズンで5億円となる計算だ。

地上波3社(KBS、MBC、SBS)と4年2160億ウォン(約216億円)で契約した韓国プロ野球のKBOリーグと比べると小さく見えるが、プロサッカーのKリーグの放映権料は推定で年間50~60億ウォン(約5億~6億円)と言われていることを知れば、韓国Vリーグのテレビ・コンテンツとしての価値を知ることができるだろう。

キム・ヨンギョン

ただ、そのVリーグも2005年発足当初はほかのプロスポーツに比べると人気も認知度も低く、テレビ中継はおろか観客動員にもかなり苦戦した。

そんなバレーボール人気に火をつけたのが、2012年のロンドン五輪・女子バレーだった。

1976年のモントリオール五輪での銅メダル獲得以来、五輪でこれといった成績を残せていなかった女子韓国代表は、ロンドン五輪でベスト4に進出。2010-2011シーズンに日本のVリーグでもプレーしたエースのキム・ヨンギョンは大会MVPにも輝き、韓国ではVリーグにも関心が注がれるようになった。

その後も2014年の仁川(インチョン)アジア大会優勝、2016年のリオ五輪のベスト8進出など、国際大会で結果を残し続けた女子バレー韓国代表の躍進が、Vリーグ人気を盛り上げてきたと言ってもいい。

実力はもちろん、ルックスも関心を集めるスター選手たちが続々登場したこともあって、スポーツ専門のケーブルテレビチャンネルKBS Nの視聴率も好調。「視聴率1%を越えたら大ヒット」とされるケーブルテレビでの中継ながら、Vリーグの昨季平均視聴率は1.01%。

特に女子部は昨季の1.05%から0.24%上昇した1.29%で男女合わせて歴代最高平均視聴率を達成しただけではなく、優勝チームを決めるチャンピオンシップの瞬間視聴率は4.72%を記録するなど好調だった。

2020年の平均視聴率0.126%、瞬間最高視聴率が0.44%だったKリーグと比べても、その差は歴然だ。5年延長・総額300億ウォンも当然の結果と言えるかもしれない。

イ・ジェヨン(左)とイ・ダヨン

来季は女子部に10年ぶりに新チームが誕生する韓国Vリーグ。新シーズンは10月16日に開幕するが、その前に行われる東京五輪で好成績を残しバレーボール人気にさらなる弾みをつけたいと考えていると聞く。

ただ、東京五輪の前哨戦となったFIVBバレーボールネーションズリーグ(VNL)に挑んだ女子バレー韓国代表は大苦戦。連敗続きで出場16か国中15位という無残な結果が続いている。

大黒柱キム・ヨンギョンに次ぐエース格だったイ・ジェヨンとその妹でセッターを務めたイ・ダヨンら双子姉妹が、学生時代のいじめ問題発覚で代表資格をはく奪されて抜けた穴を、今だに埋め切れていない。

本番まで解決できるかも未知数。イタリア人のステファノ・ラバリニ監督も頭を悩ませているらしい。

人気好調のVリーグと、苦戦が続く代表チーム。韓国バレー界の泣き笑いの日々は続く。

(文=慎 武宏)

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