「代表とは縁がないと思っていたのに…」
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韓国Kリーグ1(1部)の浦項(ポハン)スティーラースに所属する“右利きの左サイドバック”、カン・サンウ(27)は初のA代表入りに驚きと喜びを隠せない様子だった。
5月24日、韓国サッカー協会(KFA)は6月の2022年カタールW杯アジア2次予選に臨む韓国代表メンバー28人を発表した。その中に、カン・サンウの名も含まれていた。
2020シーズンは兵役義務のため国軍部隊傘下の尚州尚武(現・金泉尚武)で前半戦を過ごした後、後半戦は浦項に復帰。計26試合に出場し、8ゴール12アシストの活躍でアシスト王とシーズンベストイレブンにも選ばれた。
今シーズンからはチームの副主将に就任し、背番号も左サイドバックとしては異例の10番に変更。ここまでの成績は17試合出場4アシストとしている。
カン・サンウは代表メンバーが発表された同日、本紙『スポーツソウル』の電話取材に対し「嬉しい。やっと決まったという思いもある」と素直に喜びを示した。
「昨年から代表に選ばれない期間が続いたときは、自分よりも家族が辛い様子だった」という彼は、「家族のことを心配していたので(代表に選ばれて)良かった」と安堵したことも明かした。
続けて、「実際は昨年よりも(代表入りを)期待していなかった。“選ばれるかもしれない”という話だけはたくさん聞いてきたので、怖さもあったし心配もした。もしも今回もダメだったら、代表とは縁がないものだと思っていた」と、メンバー発表前の心境も振り返った。
今回はA代表に選ばれたカン・サンウだが、来る7月の東京五輪ではU-24韓国代表のオーバーエイジ枠候補にも挙がっている。
「(A代表も五輪代表も)どちらも選ばれなかったらどうしようと考えた」とし、「オーバーエイジ枠に自分が選ばれるのは簡単ではないと思ったし、A代表も今シーズンの浦項の成績を見てもそうだし、自分と同じポジションの選手も上手くやっている。どちらにも選ばれなければこれ以上の成長はないとまで思った」と語った。
もっとも、A代表選出がすなわち生存を意味するわけではない。カン・サンウは競争を勝ち抜く必要がある。A代表を率いるパウロ・ベント監督は今回、カン・サンウ以外に左サイドバックでホン・チョル(30、蔚山現代)とイ・キジェ(29、水原三星ブルーウィングス)を招集した。
ベント監督はこれまで左サイドバックに“左利き”の選手を起用してきた。それでも、カン・サンウは逆足でのクロス精度も着実に引き上げてきた。
カン・サンウは「左サイドで起用されれば、たとえ怒られようと左足で蹴ろうと思う。右利きの左サイドバックも戦えることを証明できるチャンスが来た」とし、「左足でのクロスをもっと試みなければならないと思う」と笑顔で語った。
新型コロナウイルス感染症の影響でハードなリーグ日程が続くなか、カン・サンウはA代表に合流後、今度はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を戦わなければならない。浦項はACLで名古屋グランパス、ジョホール・ダルル・タクジム、ラーチャブリーFCと同じグループGに属している。
ただ、「日程がきつくても幸せだ。この1カ月は忙しくも幸せな期間になるだろう」と話すカン・サンウは、「こんなチャンスが来たのに自信なく臆病になるのは馬鹿だと思う。僕はもう若い年齢でもないので、行って楽しんで自信を持って練習することが目標だ。失うものはない」と力強く語った。
そして最後に、「僕には兄さんたち(ホン・チョル、イ・キジェ)が持っていない“右足”がある。それに、兄さんたちの右足よりは僕の左足の方が上手いと思う。良い競争をしてチームに戻りたい」と意気込んだ。
なお、韓国代表は自国で集中開催するアジア2次予選グループH残り試合で、6月5日にトルクメニスタン、9日にスリランカ、13日にレバノンと対戦する。
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