「オープン戦ではソイロ・アルモンテも守備につく予定だ」
韓国プロ野球のKTウィズのイ・ガンチョル監督は、スプリングキャンプで選手層を厚くすることに成功したが、悩みの種は尽きないようだ。
その悩みとはほかならぬ元中日ドラゴンズの外国人助っ人打者・アルモンテによるものだ。
KTウィズは昨シーズン、本塁打(47本)、打点(135本)、得点(116点)、長打率(0.680)など各部門の1位を席巻し、MVPまで獲得したメル・ロハス・ジュニアが阪神タイガースに移籍したため、その代わりとしてアルモンテを獲得している。
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イ・ガンチョル監督は3月18日、水原(スウォン)のKTウィズパークで行われたKIAタイガースとの強化試合を控えた記者会見で、「(20日から始まる)オープン戦ではアルモンテも守備につく」と明言している。
アルモンテが守備を消化してこそ打順が整ってくるという判断のためだ。KTウィズは昨年、ユ・ハンジュンを指名打者として起用し、ロハスに外野の守備を任せていた。強力な打線を構築できたKTウィズは、レギュラシーズンを2位で終え、創設後初のポストシーズンに進出した。
アルモンテが守備までこなしてこそ、強打者ユ・ハンジュンの負担を軽くすることができるという昨年の考えに倣いたいのだろう。
なぜそこまでユ・ハンジュンを考慮するのかというと、彼は今年40歳になるベテランだからだ。守備までこなすのには無理があり、シーズン144試合を戦い抜く上でもちろん蓄積疲労や負傷も懸念される。
そのため、ユ・ハンジュンが指名打者、アルモンテが外野手を務めることがKTのベストなシナリオとなるわけだ。
もちろん、ユ・ハンジュンもスプリングキャンプで走り込みなどのメニューでスタミナを蓄えた状態だ。監督も、「本人も守備をしなければならないと考えている」とし、「環境が良い球場ではユ・ハンジュンも守備で出る」と述べている。
心配されている守備とは異なり、アルモンテのバッティングは概ね好評価を受けているようだ。ロハスと同じくスイッチヒッターということも期待されているポイントの1つだろう。
アルモンテは2018シーズンから中日ドラゴンズでプレーし、アジア野球への適応も終えている。中日での3シーズンで通算31本塁打、打率3割1分6厘、131打点を記録し、優れた打者であることを証明してきた。
監督も、「打席に立った姿はあまり見かけなかったが、心配はしていない。日本の3年間で平均打率3割以上を打った選手だ。全く気にしていない」と笑いとばしている。
チームの長打力についてもそれほど心配はないようだ。こちらもまた強打者カン・ベクホがオープン戦前の練習試合から本塁打を放っているからだ。監督も「やはり良い打率を残してきた打者は良い。安定感が得られる」と、満足げに話した。
アルモンテは同日のKIAタイガース戦で3打数、1安打、1本塁打、1打点と期待に応える活躍を見せている。
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