ゴルフというスポーツにおいては、大会初日から最終日まで一度も首位を譲らずに優勝することを“ワイヤー・トゥ・ワイヤー”での優勝と言う。
この言葉は、競馬やレーシング、陸上など、主にレースのスタートとゴールが決まっている協議でも使われることが多い。ただ、数日間にわたって優勝を争うゴルフツアーでは、ワイヤー・トゥ・ワイヤーでの優勝はより特別と言えるはずだ。
韓国女子ツアーでは、1996年から2020年までにワイヤー・トゥ・ワイヤーでの優勝が計88回生まれた。一度も首位を降りずに優勝を果たすだけに、達成者は優れた技術に強い精神力、ハイレベルのコンディション管理能力など、ゴルフに必要な要素すべてを持ち合わせなければならない。
では、1シーズンで最も多くワイヤー・トゥ・ワイヤーでの優勝を達成した選手は誰なのだろうか。今回は、韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)のデータを基に最多記録を紹介しよう。
韓国女子ツアーで最も多くワイヤー・トゥ・ワイヤーでの優勝が生まれたのは2008年だ。同年はワイヤー・トゥ・ワイヤーでの優勝が計8度も記録された。
このシーズンでは、開幕戦の「スポーツソウル・キム・ヨンジュゴルフ女子オープン」で当時ルーキーのユ・ソヨン(30)が早速ワイヤー・トゥ・ワイヤーでの優勝を果たし、ゴルフファンの注目を集めた。
さらに、続く「MBCツアー第1回ロッテマート幸福ドリームカップ女子オープン」では、同じくルーキーだったチェ・ヘヨン(30)もワイヤー・トゥ・ワイヤーで優勝。なお、チェ・ヘヨンはこのシーズンの新人王に選ばれている。
だが、そんな彼女らを押しのけて最多のワイヤー・トゥ・ワイヤーでの優勝を果たした選手が、ほかならぬ申ジエ(32)だった。
彼女は同年シーズン、「第10回SKエンクリーンインビテーショナル女子ゴルフ大会」「テヨン杯第20回韓国女子オープン」「第12回SKエナジーInvitational女子ゴルフ大会」「第30回新世界KLPGA選手権大会」「メットライフ韓国経済第32回KLPGAチャンピオンシップJゴルフシリーズ」と、5大会でワイヤー・トゥ・ワイヤーでの優勝を達成した。
また、申ジエは同年シーズンの韓国女子ツアーでグランドスラムを達成し、賞金王にも輝いている。
申ジエに次いで2番目に多く達成したのはカン・スヨン(45)で4回。キム・ミヒョン(44)、キム・ヒョージュ(25)、パク・ソンヒョン(27)、アン・ソンジュ(33)の4人が3回と続いた。
なお、ワイヤー・トゥ・ワイヤー優勝を達成した60人の中で、最も優れたスコアを記録したのはチョ・ジョンミン(26)とユ・ヘラン(19)の2人だ。
チョ・ジョンミンは2018年に3ラウンド形式で行われた「第8回ロッテ・カンタータ女子オープン」で、通算23アンダーの「193」を記録して優勝。ユ・ヘランは2020年に4ラウンド形式で行われた「済州三多水マスターズ」で、歴代72ホール最少打タイの通算23アンダーの「265」で優勝。ユ・ヘランは同大会で2連覇を達成し、同年の新人王に輝いた。
また、直近3シーズンを見ると、2018年に4回、2019年に7回、そして2020年には4回、ワイヤー・トゥ・ワイヤーでの優勝が生まれている。
来る2021シーズンにはワイヤー・トゥ・ワイヤー優勝がどれだけ誕生するのだろうか。韓国女子ツアーを楽しむもう一つの観戦ポイントとしてチェックするのも良いだろう。
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