ロッテ・ジャイアンツのソン・スンジュン(40)が、自身に浮上した禁止薬物購入疑惑を真っ向から否定した。
3月11日、CBSラジオ『キム・ヒョンジョンのニュースショー』(原題)は「韓国ドーピング防止委員会(KADA)が、元プロ野球選手のイ・ヨサンが2017年に同僚選手2人に禁止薬物を1600万ウォン(日本円=約160万円)で販売した疑惑をつかんだ」と報じた。
同ラジオは、購入したとされる2選手のうち、1人は現役投手、もう1人は引退してアマチュア指導者として活動していることも伝えた。
当事者として指名されたソン・スンジュンは、球団を通じてただちに反論に乗り出した。彼は次のようにコメントしている。
「去る2017年にイ・ヨサンから“幹細胞栄養剤”と主張する製品を勧められた。一緒にプレーするチームの後輩が良い意味で推薦してくれたと思い、製品を受け取った。しかし、その日の夕方に専属トレーナーに確認した結果、当該の製品が禁止薬物に当たることがわかった。翌日、イ・ヨサン選手にその製品を返し、強く叱責した」
「金銭取引と薬物服用の事実は一切ない。当該時点以降、KADAで進行した公式ドーピングテストでもすべて陰性判定を受けた。現在、KADAの調査に協力している。言いたいことはたくさんあるが、調査が行われている状況なので今はコメントを控える。今後、しっかり手続きに臨みたい」
ロッテ・ジャイアンツも声明を発表。「現在、ソン・スンジュン選手は“イ・ヨサン選手の勧めで幹細胞栄養剤と主張する製品を受け取ったが、禁止薬物という事実を確認して直ちに返した”と立場を伝えている。今回の事件についてはKADAで調査を進めており、当球団もできるだけ協力して早急に調査を進められるよう努める」と明かしている。
イ・ヨサンは2006年にサムスン・ライオンズに育成選手として入団後、ハンファ・イーグルスやロッテ・ジャイアンツでもプレー。2017年4月に引退を表明し、その後はジュニア世代を対象とした野球教室をソウルで運営していた。
だが、その野球教室で2018年4月から2019年5月までに、10代の選手にステロイド系の禁止薬物を投与。さらには、保護者から約360万ウォン(日本円=約36万円)を受け取り、ステロイドや成長ホルモン剤の注射剤などを販売していたという。
野球教室に通っていた選手7人を対象にドーピングテストを行った結果、当時高校生だった2人からステロイドの陽性反応が出たことで、大きな波紋を呼んでいた。
これに対しソウル西部地裁は、2019年12月19日に薬事法違反の疑いで起訴されたイ・ヨサンに懲役10カ月を言い渡した。また、KADAも裁判所が宣告した日付から6年間の出場停止処分を科していた。
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