同性選手への強制わいせつ容疑を受けた韓国の金メダリストが中国国籍取得の手続き…原因は?

2021年03月08日 スポーツ一般

韓国代表だったイム・ヒョジュンを誰が中国に送ったのか。

【注目】「お尻の半分だけ…」“セクハラ疑惑”の韓国代表イム・ヒョジュン

2018年の平昌(ピョンチャン)五輪で男子ショートトラック金メダルを獲得したイム・ヒョジュンが、2022年の北京五輪では中国代表選手として活動することになる見通しだ。

イム・ヒョジュンは平昌五輪で男子1500m金メダル、男子500m銅メダルを獲得した選手だ。

韓国スケート競技連盟によると、イム・ヒョジュンは最近、中国国籍の取得を選択し、その手続きを踏んでいる。電話で確認しようとしたが、連絡が取れない。

同性の後輩に強制わいせつした容疑

ショートトラック韓国代表のエースであったイム・ヒョジュンは2019年6月、鎮川(チンチョン)選手村のウエイトトレーニングセンターで体力トレーニングをしていた際、代表チームの後輩ファン・デホンのズボンを引っ張り、体の部位を露出させた疑い(強制わいせつ)で起訴された。

イム・ヒョジュン

当時、管理団体として運営されていた韓国スケート競技連盟は2019年8月、イム・ヒョジュンに資格停止1年の懲戒を下した。全盛期のショートトラック選手にとって資格停止1年の懲戒は、無期懲役のようなものだ。。

その後、イム・ヒョジュンは大韓体育会のスポーツ公正委員会に再審を請求したが、結果が覆ることはなかった。

活動停止となったイム・ヒョジュンは2020年3月、韓国スケート競技連盟を相手に懲戒無効確認訴訟を提起し、懲戒に対する仮処分申請をしたことが受け入れられ、今後の国家代表選抜戦に出場することができる状態だった。昨年11月には強制わいせつの容疑に関する控訴審で、無罪を言い渡された。

問題はスケート界と大韓体育会がイム・ヒョジュンの問題が発生したとき、合理的な解決をしていなかった点にある。世論の顔色をうかがい、責任を逃れる方法を選択したのだ。

当時の事件は、選手同士のいたずらとも見ることができる。トレーニング中に後輩のズボンを引っ張った行為が発生したにもかかわらず、コーチングスタッフや選手村の関係者は怒った被害者の言葉に完全に依存し、司法懲戒手続きを踏んだ。一気にイム・ヒョジュンを懲戒しながら、事件を隠してしまった。

被害者を説得し、先輩・後輩を和合へと導いた痕跡を見つけることも難しい。イム・ヒョジュンとファン・デホンは、韓国体育大学の先輩・後輩という関係でもあった。

控訴審で裁判所は「被告人がズボンを引っ張った行為だけを見て性的羞恥心や嫌悪感を作り出すための行動だったと見ることは難しい」とし、1審の判断を覆した。裁判の過程で被害者ファン・デホンが当時、他の女性選手がクライミング器具に上がった際に拳で叩き、落とすいたずらをしたという事実も明らかになった。

事件は鎮川選手村でトレーニング中に発生した。法廷争いが起きたわけだが、トレーニングの責任者である当時のチャン・グォンオク韓国代表監督や鎮川選手村の関係者は、懲戒や処罰を受けなかった。

スケート界のとある関係者は、「イム・ヒョジュンは控訴審で無罪となったが、最高裁判所の判決が残っている。もし最高裁で判決が覆れば、その時点から懲戒が再開されるため、北京五輪に出場することはできないだろう。だからイム・ヒョジュンは中国の提案を受け入れたようだ」とした。

イム・ヒョジュンが中国に行った理由は、そこにあるのだろう。誰かがまた出てきて、自分に有利になるようにイム・ヒョジュンを持ち出すのではないかという懸念だ。

はたして次はどんな展開が待ち受けているのだろうか。

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