「韓国では代表になって兵役問題も解決すれば、中国や中東に行こうとする選手が多い。 個人の意思を尊重するが、その面では少し残念である」
いずれにしても、「欧州に行き過ぎて問題」という彼の見解が思い浮かぶ時期だ。日本サッカーがアジアカップで優勝候補イランを下して見事に決勝に進んだからだ。
2022年ワールドカップ招致を機にレベルアップに取り組んできた決勝戦の相手カタールの上昇ムードも良く、どちらが優勝するかどうかはわからないが、主軸選手を温存するなどグループリーグで“ローテーション”をしながらも、決勝まで駒を進めた日本サッカーの力が羨ましいのは事実だ。
個人的にはイラン戦も立派だったが、サウジアラビアとの決勝トーナメント1回戦も印象深かった。プレミアリーグで活躍するキャプテンの吉田麻也と、セットプレーでゴールを決めた冨安を中心とした守備が際立ったサウジアラビア戦に、日本サッカーの底力が現われていた。
日本は今回のアジアカップで、フィールドプレーヤー全員が欧州組というラインナップを何度が見せた。サウジアラビア戦とイラン戦がそうだった。
GK権田修一のポルトガル進出が確定した今、カタールとの決勝では先発全員が欧州組となる可能性が高い。
もちろん、日本にも塩谷司やカタール・リーグ移籍が有力視される中島翔也のように中東行きを選択する選手もいる。
ただ全体的な方向性として、数十人の選手たちが欧州で生存競争をしているエネルギーが、日本サッカーの未来を明るくしているようで羨ましい。
韓日戦で韓国が何度か勝つことができるだろう。だが、日本サッカーとその選手たちが進む道が正しい道だということを、誰も否定できない。
年間1000万人の観衆が集まるJリーグ、その中でもハングリー精神を持って欧州行きを選択する代表クラスの選手たち。日本サッカーが今後どのような結果を生むのか気になる。ライバル韓国に与える教訓になってくれればと思う。