7人制ラグビー韓国代表は、昨年11月に地元・仁川（インチョン）で行われた東京五輪アジア最終予選で優勝し、オリンピック本大会出場権を獲得した。
香港代表との決勝は、サドンデスにまでもつれる接戦となった。しかし、最後は日本でプレーするチャン・ヨンフン（NTTコミュニケーションズシャイニングアークス）が劇的な決勝トライを決めて12-7で勝利。韓国ラグビーが初の悲願達成を果たしているのだ。
「オリンピック出場は韓国ラグビーの転機になると思います。他国に比べて決して良いとは言えない環境のなか、選手たちは本当に素晴らしいことを成し遂げてくれました」
決勝をライブ配信で観戦したチャン・ソクファンだが、彼自身も過去に7人制韓国代表に選ばれた経験がある。オリンピック出場が決まった瞬間、全身に鳥肌が立ち、思わず大声を上げたそうだ。
とはいえ、初出場の韓国代表からすれば、オリンピック本大会で顔をそろえる他国はどこも格上だろう。2016年リオ五輪優勝国のフィジー代表はじめ、ニュージーランド代表や南アフリカ代表、オーストラリア代表ら強豪国が顔をそろえる。去る3月に招待国として参戦した「HSBCワールドラグビーセブンズシリーズ」ロサンゼルス大会では全4試合で敗れ、16チーム中最下位。世界の壁を痛感した。
それでも、チャン・ソクファンは信じている。「努力した分、結果もついてくるはずです。大きな怪我無く良い成績を残してくれることに期待しています」と、母国代表の奮闘にエールに送った。
チャン・ソクファンは現在、韓国でウェイトトレーニングなど個人練習を重ねながら、来るべきシーズンに思いを馳せている。新型コロナの感染拡大を考慮し、複数人での実戦練習はしていないが、準備は万全。日本には10月中にも戻る予定だ。
新シーズンの神戸製鋼の目標は、2018-2019シーズンに続きトップリーグ優勝を勝ち取ることだろう。チャン・ソクファン自身も、公式戦通算50試合出場まで残り8試合としている。
「やはり、優勝を継続させることが一番重要。その中で、自分がチームの主軸を担う選手になりたいと思っています。そして、大きな怪我無くシーズン全試合に出場したいです」
2021シーズンのトップリーグは来年1月16日開幕が決まった。同日、神戸製鋼は地元ノエビアスタジアム神戸でヤマハ発動機ジュビロとの開幕節を戦う。来る新シーズン、チャン・ソクファンがさらなる活躍を見せてくれることを期待したい。
（文・取材＝姜 亨起）
