カン・ジョンホ(32)の才能は惜しいが、彼の飲酒運転に関する懲戒は強力に適用されなければならない。単純な法理的解釈を離れ、プロ野球や社会全体に及ぼす影響を鑑みて、厳正な判断を下す必要がある。
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現在アメリカに滞在中のカン・ジョンホは先週初め、法律代理人を通じて韓国野球委員会(KBO)に国内復帰について問い合わせた。
2年間、メジャーリーグのピッツバーグ・パイレーツで定位置を確保できなかったカン・ジョンホの国内復帰の打診は、韓国で大きな反響を呼んだ。それと同時に世論も巻き起こった。
カン・ジョンホはかつて、他人の生命をも奪いかねない飲酒運転によって、すでに3度も摘発されている選手だ。
なかでも2016年に起こした3度目の飲酒運転では、中央線を越えて衝突事故やひき逃げを起こし、さらには“運転者すり替え”の容疑までかけられた。懲役8カ月、執行猶予2年の実刑を言い渡されている。
もしかしたら、カン・ジョンホ側の韓国プロ野球復帰の打診は単なる問い合わせに過ぎないのかもしれない。しかし、飲酒運転に対する見方が社会的に厳しくなっている韓国の状況が、カン・ジョンホの逆風となっている。
昨年、韓国の交通法は免許停止の基準となる血中アルコール濃度を、0.05%以上から0.03%以上に強化した。当然のことながら、焼酎を1敗でも飲めば飲酒運転者となる。
とはいえ、カン・ジョンホはそのまま放っておくにはもったいない野球の才能を持っているのは確かだ。彼は韓国プロ野球時代、40本塁打100打点を記録する遊撃手として、韓国の野球ファンを魅了させた。
そして2014シーズン終了後、ポスティングシステムを通じ、ピッツバーグ・パイレーツに移籍金500万2015ドルで加入した。カン・ジョンホはそこでも20本塁打以上を放ち、“巨砲内野手”と注目を集めた。
古巣のキウム・ヒーローズとしては、カン・ジョンホを呼び戻したい思いもあるだろう。まさに悪魔の才能だ。
仮にKBO賞罰委員会で1年未満の出場停止懲戒が下されれば、カン・ジョンホに対する任意脱退を解除し、再契約の議論を進める余地が無いとは言えない。周囲から向けられる視線は厳しいは、さまざまな意味での活用価値を考えると、彼の誘惑を振り切ることは容易でないかもしれない。
カン・ジョンホ側も、現行の規約の遡及適用の不当性を陳情し、懲戒の軽減を狙っているようだ。
韓国プロ野球では、2018年以降に飲酒運転を3回犯した選手は、最低3年の失格処分を受ける。カン・ジョンホの飲酒運転はすべて2018年以前のものだ。このため、彼に“三振アウト”と言い渡すことが法理的に難しい点もある。
だとしても、KBOは法理的な解釈とは別に、カン・ジョンホの飲酒運転に対する責任を明確に問わなければならない。KBOが追求するクリーンベースボールの価値に合わせ、判断しなければならない。
カン・ジョンホが韓国野球界にもたらした功労は大きい。当然、認める部分は認めるべきだ。
カン・ジョンホ自身、今は韓国プロ野球での名誉挽回を望んでいることだろう。
しかし、ユン・チャンホ法の施行によって飲酒運転に対する韓国内の視線はさらに厳しくなった。最近の韓国プロ野球では、一度でも飲酒運転を犯せばマウンドを降りるという認識が定着している。
今の状況で、KBOには“私情を交えずに処罰する”という断固たる決意が求められている。
かつて韓国野球界を沸かせた悪魔の才能よりも必要なのは、韓国プロ野球全体を考慮したクリーンベースボールの実践だ。
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