シーズン開幕を前に韓国プロ野球監督が「今年よりも来年が心配」と話すワケ【現地取材】

「今年は持ちこたえても、来年はダメージを受けるだろう」

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144試合強行を憂慮する現場の声に、キウム・ヒーローズのソン・ヒョク監督も同意を示した。

4月27日、高尺スカイドームで行われたLGツインズとの交流戦で、ソン監督は“私見”を前提に「144試合体制ではリーグのレベルが下がる」という監督たちの主張に同意した。

ソン監督は次のように語る。

「負担になるのは事実だ。今シーズン、オールスターブレイクが無ければ休息日は減る。そして、来年はWBCと東京五輪の2大会を戦わなければならない」

「2年連続で休息期間が短い状況だ。選手も疲労が溜まる。今年は持ちこたえても、来年にその影響が出るだろう」

ソン・ヒョク監督

去る4月21日の緊急理事会を通じ、韓国プロ野球のシーズン開幕日は5月5日に決定した。従来通り144試合体制で進められ、雨天中止となった試合はダブルヘッダーと月曜日試合として編成する代わり、その試合は延長戦を行わない計画だ。

ポストシーズンは11月4日から始める。ワイルドカード決定戦・第1戦は11月4日から始め、11月28日から韓国シリーズ(7戦4先勝制)を行う予定だ。

しかし、シーズン終了後に主要な国際大会が控えている。2021年は3月にWBC、7月に東京五輪が開催予定だ。

国際大会をすべて消化した後、チームが再びポストシーズンを戦うことになれば、ブレイクのため滞った日程をまたも最後まで消化しなければならない。代表に選出された選手たちにとって、あまりにハードなスケジュールだ。

現役時代は投手として活躍したソン監督は、若手投手を最も心配している。“ベルドゥッチ・リスト”に関する言及もこの脈絡から出た。

「まだ全盛期も来ていない若手が負傷したら…」

“ベルドゥッチ・リスト”とは、アメリカメディア『スポーツ・イラストレイテッド』コラムニストのトム・ベルドゥッチが2006年に提唱した仮説だ。

ベルドゥッチは、「満25歳以下の投手が前年よりも30イニング以上多く投げた場合、翌シーズンに負傷したり不振に陥ったりする可能性が高い」と唱えている。

これはメジャーリーグにおける若手投手の酷使が根拠となっており、韓国プロ野球においてもある程度用いられている。

「それが原因で私は早く野球をやめた」と話すソン監督は、若手選手の酷使に警鐘を鳴らした。

キウムの若手投手チェ・ウォンテ(23)

「選手としての人生とその後の人生に大きな違いがあることを、あまりにも早く感じた。選手たちに最大限マウンドに長くいてほしいと話す理由はそこにある」

「まだ全盛期が訪れていないような若手選手が負傷してしまえば、国内リーグはもちろん代表チームのレベルも落ちてしまうだろう」

現場から多くの意見が挙がっている韓国プロ野球の今シーズンの運営方式だが、今後どのような展開を迎えるだろうか。

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