長い連敗のトンネルから抜け出した。女子バレー韓国代表が約3年ぶりに笑顔を見せた。
フェルナンド・モラレス監督率いる女子バレー韓国代表は5月20日(日本時間)、ブラジル・リオデジャネイロで行われたFIVBバレーボールネーションズリーグ(VNL)でタイと対戦し、セットカウント3-1(25-19、23-25、25-16、25-17)で勝利した。
2021年6月15日のカナダ戦以来、2年11カ月ぶりにVNLで勝利を収めた。当時はキム・ヨンギョン(36)をはじめ、キム・スジ(36)、ヤン・ヒョジン(34)などかつての主力が中心メンバーだった時代だ。
彼女らが引退した後、韓国女子バレーは2022年と2023年のVNLで2年連続全敗を喫するなど低迷の一途を辿ったが、久しぶりの勝利に明るい笑顔を見せた。
今年3月より新たに発足したモラレス監督体制での初勝利だ。
過去に世代交代で弱体化したプエルトリコ代表を率い、戦力強化を導いたモラレス監督は、「選手たちの基本技術がポジションに関係なく優れている」と韓国代表選手を評価。
そのうえで、「新しいシステムも早く習得する。同時に、やろうとするプレーを一人ひとりがこなせる。スタープレーヤーの空白をチーム全員で埋めて、チームとして戦うことができれば、良いプレーができる」と公言した。
タイ戦では4人のアタッカーが二桁得点した。「得点分布を均等にするために練習している。現代バレーではミドルブロッカーとウィングスパイカー、パイプ(バックアタック)まで加わらなければならない」と、指揮官が望んでいたパフォーマンスがついに表れたわけだ。
凡ミスを減らし、攻守で安定感を取り戻した。エースのカン・ソフィ(26)が両チーム最多となる22得点を記録し、韓国のアタックをリードした。
パク・ジョンア(31)とチョン・ジユン(23)もそれぞれ16得点を記録し、ミドルブロッカーのイ・ジュア(23)が11得点、イ・ダヒョン(22)が8得点を挙げた。特にイ・ジュアはブロックを5つ成功させるなど大活躍を見せた。
何より、世界のバレー界から遅れを取っていた韓国と異なり、近年競争力を高めていたタイを制したことにも大きな意味がある。
韓国は近年、VNLや五輪予選、アジア選手権などでタイ相手に5連続シャットアウト負けを喫していた。
国際バレーボール連盟(FIVB)も、連敗を「30」でストップさせた韓国に注目した。
FIVBは「韓国がライバルのタイを抜き、長い間待った末に3年ぶりの勝利をおさめた」とスポットライトを当てた。
タイ戦後のインタビューで、イ・ダヒョンは「3年かかった。代表は変化によって苦しい時間を過ごしたが、強いタイ相手に勝利できて光栄だ。タイは自分たちとフィジカルが似ているチームなので、勝利をより切実に望んでいた。今回の勝利で、自分たちはより多くの自信を得た。過ぎ去った2年間を忘れ、もっと上手くできることを望んでいる」と勝利の感想を伝えた。
この勝利でランキングポイント13.69点を追加した韓国は、最新の世界ランキングで6ランクアップの37位(104.59ポイント)に入った。
一方、敗れたタイは13.69点減少の199.90ポイントとし、1ランクダウンの14位とした。なお、日本は314.61ポイントで8位としている。
VNL第1週を終えた韓国は米テキサス州アーリントンに移動し、30日から第2週に突入する。
第2週では30日のブルガリア(21位)戦を皮切りに、31日にポーランド(3位)、6月2日にトルコ(1位)、3日にカナダ(10位)と対戦する予定だ。
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