日本と戦うU-23韓国代表が“緊急事態”に陥っている。
韓国サッカー協会(KFA)は4月8日、U-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選)に出場するU-23韓国代表メンバーに選ばれていたDFキム・ジス(19、ブレントフォード)が、チームの事情により合流不可能になったことを発表した。
キム・ジスの代替選手には浦項(ポハン)スティーラーズのDFキム・ドンジン(20)が選ばれた。
KFAによると、キム・ドンジンは本日(8日)深夜に飛行機に乗り、直前キャンプ地のUAE・ドバイに向かう予定だ。
2004年12月生まれのキム・ジスは、韓国が誇る大型センターバックの有望株だ。192cmの高身長を誇り、右利きながら左足の技術もある。
2022年、高校生ながら城南(ソンナム)FCとクラブ初の準プロ契約を結ぶと、早くもKリーグの舞台に順応する姿を見せた。
同年夏、最年少でチームKリーグ(Kリーグ選抜)に選出されトッテナムとの親善試合に出場すると、サッカーファンから「第2のキム・ミンジェ」と呼ばれるようになった。
その後、2023年5~6月のU-20W杯でU-20韓国代表の4強入りに大きく貢献し、自身も大会ベストイレブンに選出されると、世界的に注目を集める選手に。そして同年夏、イングランド・プレミアリーグのブレントフォードと契約した。
キム・ジスはまだプレミアリーグでデビューしていないが、韓国代表では着実にステップアップを遂げている。
今年初めにはユルゲン・クリンスマン前監督に招集され、アジアカップを戦うA代表の最終メンバーに選出。今年3月にはU-23西アジア選手権に出場したU-23韓国代表の優勝にも一役買った。
これらの活躍で、U-23韓国代表率いるファン・ソンホン監督も、今回のパリ五輪アジア最終予選で当然のようにキム・ジスを選出した。
ところが、ブレントフォード率いるトーマス・フランク監督の派遣拒否で事態がこじれることになった。
現在、ブレントフォードはDFジョージ・バルドック(31)、DFクリス・バシャム(35)、DFジョン・イーガン(31)、DFリース・ノリントン=デイヴィス(24)ら守備陣の相次ぐ負傷に頭を悩ませている。
だからこそ、年明けからベンチ入りの機会が増えているキム・ジスを簡単に派遣させることができない状況であるわけだ。
U-23韓国代表はキム・ジス合流不可により、大会前から“赤信号”が灯っている。
ただでさえMFヤン・ヒョンジュン(21、セルティック)も所属チームの事情で合流失敗に終わり、MFペク・サンフン(22、FCソウル)も膝の負傷により合流が不透明だ。
ファン・ソンホン監督はひとまず、キム・ジスとヤン・ヒョンジュンの代替選手として国内からキム・ドンジンとMFホン・シフ(23、仁川ユナイテッド)を招集したが、戦力ダウンとなった事実は避けられない。
パリ五輪アジア最終予選も兼ねたU-23アジアカップを通じて、世界記録となる10大会連続五輪出場に挑む韓国。同大会で最低でも4位以上に入らなければ五輪の切符は掴めない。
グループBに入った韓国は、16日にUAEとの初戦を戦い、19日に中国、22日に大岩剛監督率いる日本と対戦する予定だ。
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