強固な盾をいかに打ち破るかが韓国の課題だ。
スーパーラウンド最初の2連戦にオリンピック出場権とタイトル保持がかかっている。韓国にとって運命の2日間だ。
プレミア12スーパーラウンドに進出した野球韓国代表は、11月9日に東京入りし、10日に公式練習を消化した。11日に東京ドームで世界ランク2位のアメリカと激突した後、12日にZOZOマリンスタジアムで台湾と戦う。
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スーパーラウンドで戦う試合は、いずれも19時開始という点が韓国にとってポジティブな要素ではある。
だが、ソウルラウンド（グループC予選）を戦ったソウル高尺（コチョク）スカイドームや招集トレーニングを行った水原（スウォン）KTウィズパークとは、スーパーラウンドを行う球場の環境が異なることが韓国の課題となる。2連戦の相手であるアメリカと台湾がまったくチームの特色が違うことにも対応しなければならない。
アメリカは、言葉の通り“ベースボールをする”チームだ。メジャーリーグが剛速球とホームランで展開されることからも、その意味をくみ取れる。
投手は速球を中心に真っ向勝負を仕掛け、打者はいつでも場外にボールを運ぼうとフルスイングする。アメリカは予選3試合で10本ものホームランを放ち、その火力を見せつけた。
強力打線と対峙する韓国の投手ヤン・ヒョンジョンは、フォーシーム以外にもチェンジアップやスライダーなど制球に気を付ける必要がある。アメリカ打線の調子を狂わせ、素早い投手交代ができれば、韓国にも勝算が見えてくる。
オリンピック出場をかけた韓国の前に立ちはだかる台湾は、投手力がずば抜けていると評価される。オリックス・バファローズ所属のチャン・イーをはじめ球速150kmに迫る剛腕投手が数多くおり、韓国打線の力量が問われる。
日本と台湾を戦力分析したポン・ジュングン解説委員は、「台湾は打線のパンチ力が優れるという話を聞いていたが、ふたを開けてみると投手陣がより魅力的だ。打線は弱点がはっきりしており、攻略の筋道は見えやすい。だが、投手陣は速球が得意な投手が多い。韓国打線は攻略に苦しむだろう」と説明した。
しかし、台湾は組織的な守備があまり優れず、投手陣も精密さには欠ける点が韓国にとって好材料だろう。韓国持ち前の精密な野球で台湾を上回れるかがポイントだ。
台湾戦は、千葉ロッテマリーンズの本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われる。この球場は海沿いのため浜風が吹くことで知られており、左打者にとってはレフトスタンド側から1塁に向かって吹く約秒速10mもの風が不利となる。
韓国はキム・ジェファンやキム・ヒョンスなど左打者が多く、一発ホームランを期待するよりも地道に出塁していく戦略が求められるだろう。
この2連戦を勝利で乗り切れば、2日間の休息があるため、メキシコ戦に全力で臨めるようになる。3勝先取できれば決勝進出が決まり、オリンピック出場権も獲得する。そうなると、11月16日の日韓戦での勝敗は大きな意味を持たなくなる。
韓国の捕手ヤン・ウィジは、「初戦は必ず勝たなければならない。最初の試合で勝てれば自信にもつながる。初戦で敗れるようなことがあれば、台湾戦でも苦しむ可能性もある」と話した。
ソウルラウンド開幕前、「初戦に全力で臨む」と当時宣言したのと同様に、先手必勝で2連戦を乗り切るという意地が彼の言葉に見て取れた。
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