東京五輪で狙うは“兵役免除”? 韓国が維持を決めた「芸能・体育要員特例制度」

2019年09月17日 スポーツ一般 #兵役

成人男子に兵役義務がある韓国では、スポーツ選手や芸能人であっても兵役を務めなければならない。日本人に馴染みが薄い「兵役=軍隊」も、韓国の成人男子にとっては“国民の義務”なのだ。

ただ、スポーツ選手や芸能人の兵役トラブルは絶えず、過去には廃止された制度もいくつかあった。

有名なのは「芸能兵制度」だろう。

平たくいえば、韓国国防部のPR活動などに協力することで、現役兵として実戦部隊や一般部隊への配属が免除される制度だった。芸能人には諸事情で兵役免除の資格を得ているものも多いが、この芸能兵制度があった頃はアイドルや俳優たちの間で最も人気があった“兵役”だった。

【写真】「えっ、そんな理由で?」兵役を免除された20人の韓国芸能人を一挙紹介

ところが、2013年に兵役期間中のタレントたちが規律違反を犯してデートしていただけではなく、とあるK-POPアイドルは風俗店などに出入りしていたことが発覚したことで、世論の反発が噴出。もともと「芸能人たちを優遇している」として批判が多かったこともあって、2014年に廃止されるに至った。

先日紹介した「芸術・体育要員特例制度」も、実は見直しや廃止を求める声がたびたび起きてきた。

「芸術・体育要員特例制度」とは、オリンピックのメダリスト(つまり1~3位以内)やアジア大会優勝など、国際大会で一定の成果を上げた選手、国際芸術競演大会で2位以上の入賞者、国内芸術競演大会1位入賞者などは、4~5週間の軍事基礎訓練後、自身の特技分野で活動することが兵役とみなされる制度だ。

スポーツが国威発揚に大きく役立った時代は、オリンピックやアジア大会で活躍した選手たちへの感謝と労い、さらなる活躍を期待する激励の意味も込めて、メダリストに兵役免除の“ご褒美”を贈ることを反対したり、やっかむ声も少なかった。

韓国人初のメジャーリーガーだったパク・チャンホが、大事なオフを返上して1998年バンコク・アジア大会に出場して金メダルという名の兵役免除を手にしたときも、「これでパク・チャンホのメジャーリーグでの活躍が引き続き楽しめる」と喜ぶ声も多かった。

アスリートの“兵役免除”に厳しい視線

だが、近年は「芸術・体育要員特例制度」で兵役免除を勝ち取った者への目も厳しくなりがちだ。

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