「2日前(10月12日)に公式オファーを受けた。野球に戻りたい気持ちが強かったなかで、斗山が手を差し伸べてくれたので、その手を握ることになった」
2019年には統合優勝を達成するなど、毎シーズンで上位に名を連ね“斗山王朝”を築いてきた斗山だが、今季は10球団中9位に沈む大不振で8年ぶりにポストシーズン進出を逃し、長年続いた王朝に幕を下ろした。
復権を期す来季を前に、現在は“球団再結成レベル”の刷新が必要だという指摘が内外を飛び交うほど、球団には厳しい視線が向けられている。現役引退後、一度も指導者を務めた経験のないイ・スンヨプとしてはプレッシャーを感じる提案だったはずだ。
ただ、イ・スンヨプは「球団と私、全員がリスクを抱えて握った手だ」としつつも、「プレッシャーは大きいが、ぶつかってみようと考えた。指導者として見せたものがないので、自ら価値を証明する必要がある。お互いにリスクを甘受して契約を結んだ。周囲の懸念を払拭したい」と自信を示した。
そして、「新米監督とは呼ばれたくない。(チームを再建できなかった)“失敗者”という烙印を押されたくもない」と力強く伝えた。
球場の外では謙虚で細心な性格のイ・スンヨプだが、グラウンドの上では“誰にも負けたくない”という勝負欲を隠すことなく表してきた。
「これまでの人生もプレッシャーのなかで生きてきた。今のプレッシャーも楽しみたい。良いパフォーマンスで斗山ファンの期待に応えたい」
では、“監督イ・スンヨプ”が追求するベースボールとは何だろうか。
彼は「周囲から私がどのように見えているかはわからないが、私がやってきたプレーを選手たちに注入することはない」と断言する。
「全員がホームランバッターではないからだ」と説明したイ・スンヨプは、「状況に応じたプレー、ディテールなプレーを強調したい」と話した。
1番から9番まで、それぞれが自分の役割に合ったプレーができるように選手たちを理解してこそ、役割分担を通じてチームが一つにまとまるというのがイ・スンヨプの考えだ。
そのため、厳しいトレーニングは「当然のことだ」とイ・スンヨプは強調する。