このような議論はスポーツ不正行為の“概念的曖昧性”が一役買っている。
KBOが公式に発刊した「クリーン・ベースボール」ガイドブックによると、選手生活途中に学生時代のいじめの発覚や飲酒運転、賭博、性的暴行を犯した場合、どんな懲戒を受けるかが明示されているだけで、懲戒以後の事後措置については言及されていない。
懲戒以降のガイドラインが明確に設けられていないのは、有望な選手にもう一度チャンスを与えようという意図がある。
とはいえ、その譲歩はややもすると「懲戒を受ければ終わり」という免罪符になる余地もある。その結果が、今回のキム・ユソン、イム・チャンヨン、パク・チョルスンの事例なわけだ。
本紙『スポーツソウル』では以前、かつて千葉ロッテマリーンズや読売ジャイアンツ、オリックス・バファローズに在籍したイ・スンヨプ(46)に取材した際、「後輩選手に伝えたい言葉は何か」と質問したことがあった。そこで、イ・スンヨプは次のように語っていた。
「我々はたとえ公人ではないが、“有名人”として球場の内外で先輩たちの良くない先例を反面教師とし、模範になってよい人だということを多くの人に見せてほしい。それが低迷する韓国プロ野球の生きる道だ」
イ・スンヨプは、誰もが言うような「ミスを犯してもアスリートは実力で示せば良い」というありふれた言葉を言わなかった。代わりに、「良い人になろう」と伝えた。
“真の”レジェンドが伝えた言葉を、韓国プロ野球界はしっかりと受け止めて考える必要がある。