得点の予感が感じられない。
韓国代表FWソン・フンミン(30、トッテナム)がシーズン序盤からふるわない。8月6日の開幕節サウサンプトン戦でアシストを記録して以降、ピッチ上で沈黙を続けている。
最初の1点が遠い。気付けば開幕5試合連続でゴールがない形だ。アジア人初のプレミアリーグ得点王に輝いた昨季とは大きく変わった歩みを見せている。
9月1日に敵地ロンドン・スタジアムで行われた第5節のウェストハム戦でソン・フンミンは先発に名を連ねた。この試合では今季初となるフル出場を果たしたが、相変わらずゴールは遠かった。
試合通してシュートは2本放ったが、いずれも枠に飛ぶことはなかった。前半34分には相手のオウンゴールでトッテナムが先制に成功したが、その後もソン・フンミンは思うような活躍を見せられなかった。試合も1-1の引き分けに終わっている。
開幕5試合で枠内シュートを1本も記録できなかったのはこの試合が初めてだ。サウサンプトン戦では2本、第2節(チェルシー戦)と第3節(ウォルヴァーハンプトン戦)、第4節(ノッティンガム・フォレスト戦)はそれぞれ1本ずつ記録していたが、フル出場したウェストハム戦は枠にも飛ばせなかった。
沈黙が長引いている。昨季は開幕戦で初ゴールを記録し、2020-2021シーズンは第2節のサウサンプトン戦で一挙4ゴールの大爆発を見せた。2019-2020シーズンも第5節には初ゴールを決めていた。
最も1ゴール目が遅かったのは2018-2019シーズンだ。当時は開幕10試合目となった2018年11月のカラバオ・カップ4回戦のウェストハム戦で初ゴールを決め、リーグ戦では第13節のチェルシー戦で初ゴールを決めた。
今季はチームが上々のスタートを切っているだけに、なおさらソン・フンミンの無得点が目立つ。トッテナムは開幕5試合で3勝2分の無敗を貫いており、リーグ戦では3位と上位に位置している。現地の大半のメディアから最低評価を与えられているソン・フンミンとしては、“換気”が必要な時点と言えるだろう。
もっとも、この先は厳しい日程が待ち受けている。トッテナムは3日にプレミアリーグ第6節のフラム戦を行い、8日にはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループステージ初戦のマルセイユ戦を戦う。そして、11日には第7節のマンチェスター・シティ戦が控えている。
シーズン序盤の大一番を迎えるトッテナムとしては、ソン・フンミンが本来のパフォーマンスを取り戻すことを是が非でも望んでいるはずだ。
◇ソン・フンミン プロフィール
1992年7月8日生まれ。韓国・江原道出身。身長183cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表キャプテン。小学校と中学校ではサッカー部に所属せず、韓国代表経験のある父ソン・ウンジョン氏から直接指導を受けていた。2010年にドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSVでプロデビュー。その後、2013年に移籍したバイエル・レバークーゼンで2年連続二桁ゴールを披露し、2015年にプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーへと移籍。愛称は“Sonny(ソニー)”。
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