リュ・ヒョンジンが防御率で独走…MLBで勝利数より防御率が評価される理由

ロサンゼルス・ドジャースのリュ・ヒョンジンが、19年前のペドロ・マルティネスがそうだったように、独走状態のシーズンを作っている。

メジャーリーグ全体で唯一の1点台の防御率(1.26)を維持しながら、2位以下を大きく引き離した。2000年シーズン以降、最も確固たる“ワントップ”の投手として位置づけられている。

リュ・ヒョンジンは去る6月17日に行われたシカゴ・カブス戦で、今シーズン14回目の先発登板。7イニングを投げ、被安打7、8奪三振、与四球0、2失点(自責点なし)を記録した。

6回表、ドジャース内野陣のエラーなどで2点を奪われたが、抜群の制球力と配球でカブスの強打線を圧倒し、防御率を1.36から1.26まで上昇させた。2-2の同点で投球を終え、勝利投手となることはできなかったが、初のオールスター出場とサイ・ヤング賞にまた一歩近づいた。

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もちろん2試合連続で、今シーズン10勝目を逃したのは惜しい。しかし勝利数で投手を最高に評価する時代は過ぎた。

先発投手が無失点でマウンドを守っても、打者が得点をあげなければ勝利投手になることは不可能だ。所属チームの野手の攻撃力と守備力によって、先発投手の勝利数には差が出ざるを得ない。専門家たちもそれを考慮して、投手を評価する。勝利数よりも防御率、イニング、奪三振などが先発投手を評価するに適した指標ということだ。

昨年ナショナルリーグのサイ・ヤング賞の投票結果が防御率の重要性を証明する。

2018年レギュラーシーズン最後の試合でようやく10勝目をあげたジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ)が、18勝のマックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)を抜いてサイ・ヤング賞を獲得した。

全米野球記者協会のサイ・ヤング賞投票で、デグロムの1位票シェアは99%に達した。シャーザーは220.2イニング、300奪三振を記録しており、217イニング、269奪三振のジェイコブ・デグロムを2部門でリードしたが、防御率の差がそのまま投票結果につながった。デグロムの防御率が1.70で、シャーザーの2.53を大きくリードしたことが評価された。

レギュラーシーズンの折り返しに向かう時点でリュ・ヒョンジンは、昨年のデグロムを超えて、2000年のペドロ・マルティネスを連想させる。

(画像=MLB At Bat)6月17日付けの防御率ランキング

2000年、ボストン・レッドソックスのエースとして大活躍していたマルティネスは防御率1.74を記録し、リーグ唯一の1点台投手となった。同年アメリカンリーグの防御率2位だったニューヨーク・ヤンキースのロジャー・クレメンスより、防御率が2.00ほど優れていた。18勝をあげたマルティネスは5年連続でオールスターに選ばれ、サイ・ヤング賞の投票で20勝を達成したティム・ハドソン(オークランド・アスレチックス)とデビッド・ウェルズ(トロント・ブルージェイズ)を圧倒した。投票した全員がマルティネスに1位票を行使した。

もちろん、まだ道のりは遠い。レギュラーシーズン終了まで、少なくとも16試合前後を消化しなければならない。1、2試合で崩れるだけでも、防御率に大きな影響を与える。

それでも明らかなのは、リュ・ヒョンジンがいつになく完璧なコンディションでシーズンをプレーしているということだ。以前とは異なり、ストレートの平均球速が140キロ前半にとどまる試合を見つけることが難しい。毎試合140キロ後半のストレート平均球速を維持し、制球だけでなく球威も粘り強さを見せている。

ホームラン時代のど真ん中で、進化を重ねたリュ・ヒョンジンが立ちはだかっている。

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