3月4日と5日にかけて、Fリーグ2021-2022ディビジョン1・2入替戦が駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場にて行われた。
入替戦ではF1最下位のボアルース長野とF2優勝のしながわシティによる2試合が行われ、2試合が終了した時点で、①勝利数が多いチームを勝者とし、②勝利数が同数の場合には、2試合における得失点差、③得失点差が0の場合にはF1チームを勝者とするレギュレーションで行われた。
4日の1回戦はファーストピリオドにボアルース長野がセットプレーで先制。しかし、セカンドピリオドにしながわシティもセットプレーで2点を挙げ、2-1でしながわシティが勝利を収めた。
5日の2回戦もファーストピリオドにしながわシティが2得点。ファーストピリオド終了時点の2試合合計スコアは4-1で、しながわシティがリード。F1昇格を決めたいしながわシティにとって有利な試合運びだった。
「初日は勝っていて、負けて。今日は前半でいきなり2点取られて。何やってんだろう。正直バカヤロー」と思ったというボアルース長野・柄沢健監督は、山蔦一弘コーチと覚悟を決めて、セカンドピリオド頭からパワープレーを仕掛ける。
セカンドピリオドに入り、ボアルース長野はパワープレーから2点を奪う。パワープレーを受け続け、1点差に詰め寄られたしながわシティはたまらずタイムアウトを取る。
しかし、ボアルース長野の流れは止まらなかった。セカンドピリオド35分、GKのユニフォームを着た上林快人のパスから、今季で引退する青山竜也がF1残留条件の同点ゴールを奪った。
F1昇格のため、しながわシティは残り時間、パワープレーを行うが得点には至らず。2試合合計スコア4-4の激戦はボアルース長野のF1残留で幕を閉じた。
試合後、ボアルース長野の柄沢監督は「最後の最後にボアルースらしく、集団で群れになって泥臭く戦うことができて、なおかつ、このような2点差を逆転できた。本当に選手によく頑張ったと伝えたい」とコメントした。
最後に、日本のフットサルについて、生意気だが伝えさせてもらいたいと前置きして以下のように語った。
「私たちの年代は50近くになるが、何もない状態のところから、なんとかフットサルで飯を食っていきたい。そういう思いから、関東リーグ、各地域リーグができて、Fリーグができた」
「(今日の試合でも)最後、お互いにパワープレーをして、取られたら終わってしまう。でも取ったら何とかなる。こんな素晴らしいスポーツ、なんでもっと日本で熱く根付いていかないのか」
「昔の私たちの年代、横澤直樹前監督たちの頃は、ブラジルに行ったり、自分の生活を全部賭けて、やってきた。今はなんでもありふれていて、自分の身を粉にしたりだとか、何とか頑張ってこのフットサルを変えようというものが、どこにあるのか」
「こんなに素晴らしいFリーグを作ってくれたなかで、僕らはみんなでフットサルを文化として、この日本のスポーツのなかに作っていければという思いでやっている」
「ワールドカップもあったが、もっとハングリーであれば、絶対もっともっと上に行けるのではないか」
フットサルに人生を賭ける者同士の戦いは、記憶に残る試合となった。
(文=玉 昌浩)
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