「ファンにやさしいリーグ作りのため」韓国プロ野球がルールを改定、“強制休養”の項目も

韓国プロ野球(KBO)が、ファンにやさしいリーグ作りに向けて手入れを行った規定を公開した。

KBOは3月30日、「開幕を控えた2021新韓銀行SOL KBOリーグは、ファンや選手により近づくためさまざまなルールの変更を試みる」と発表。3月17日に発表された規定はオープン戦にも適用されており、スピードアップ規定など現場で体感できる規定も多数あるそうだ。

まず、ビデオ判定対象のプレーや判定機会が拡大され、公正性の拡大を図るそうだ。また、変更の可否とは関係なく、球団当たり最大2回与えられていたビデオ判定だが、球団からの申請によって判定が1試合で2回連続覆された場合、当該球団はその試合に限って1回の追加申請が与えられることに。

外国人コーチングスタッフ支援のための通訳人員も増員される。今季、KBOリーグは初めて外国人監督が2人登録されており、外国人コーチも多数在籍している。もうこれは珍しい風景ではないだけに、増加した外国人スタッフと選手のコミュニケーションを円滑化するため、従来までは3人に制限されていたベンチの通訳人数に、最大2人まで追加できるようになった。

(写真提供=ハンファ・イーグルス)外国人監督の1人であるハンファ・イーグルスのカルロス・スベロ監督(中央右)

“強制休養”の項目も新たに追加

そして故障者リストに登録された選手は、最低10日が経たなければ復帰が不可能となった。 この改定は負傷した多くの選手から、まともな休息が保障されなかったという意見を受け、昨年新設された制度を補完し、強制的に休養を取らせるようにしたものだ。

特別サスペンデッド(試合が成立する前に雨天などで試合続行が難しいと判断された場合はノーゲームではなく、翌日に同一カードで中断した時点からダブルヘッダーとして再開するというルール)や、ダブルヘッダーの特別エントリー規定も見直された。

また、今夏に予定されている東京五輪期間中は中断となるKBOリーグは、1チーム当たり144試合を完遂するため、ダブルヘッダーも実施される。

ほかにも、昨年と同様に選手たちの体力的な負担を緩和するため、試合成立前に雨天などの理由で試合が中断された場合、翌日に特別サスペンデッド試合を行う。この試合でチームは1人の選手を追加でエントリーに登録することができる。

ただし、9月1日の拡大エントリー施行以後は、1人の追加選手を登録できる特別エントリー制度が適用されないそうだ。

昨季王者NCダイノスの韓国シリーズ優勝セレモニー

引退選手へのリスペクトが盛り込まれた制度も

引退選手のための特別エントリーも認められる。所属選手として登録されている選手が引退試合出場のためにエントリー登録が必要な場合、定員を超えてエントリーに登録することが許される。

引退試合を行った選手は翌日エントリーから自動的に抹消され、当該選手は残りのシーズンの間エントリー登録が不可能となるようだ。リーグ全体を通してベテラン選手の引退試合の挙行が自然な文化として定着したことから、チーム戦力の損失を最小限に抑えつつ、引退選手に対するリスペクトの機会を制度化したものだ。

今季KBOリーグの観客たちは、韓国政府が定めた“社会的距離確保”の段階別基準、および防疫措置によって、現在2段階とされている首都圏の蚕室(チャムシル)、文鶴(ムンハク)、水原(スウォン)、高尺(コチョク)は10%の収容、1.5段階で非首都圏の社稷(サジク)、大邱(テグ)、昌原(チャンウォン)、光州(クァンジュ)、大田(テジョン)は30%の観衆収容が可能となっている。

【関連】観客にも“三振アウト制”が適用、韓国プロ野球がコロナ対応の新マニュアルを発表

斗山ベアーズ、LGツインズがホームスタジアムとして使う蚕室(チャムシル)球場

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集