元ソフトバンクのイ・デホが所属するロッテが、最大級の“チーム再建”に挑むが不安要素も

韓国プロ野球(KBO)のロッテ・ジャイアンツが、史上最大級のチーム再建を目指して土壌作りに励んでいる。フロントが向こう10年間のチームを担う期待の星を獲得し、現場も盛り上がっている。ロッテがこれまで一度も果たせなかった“チーム再建”は成功するのか注目が集まっている。

【注目】元千葉ロッテのキム・テギュンが引退

ロッテのソン・ミンギュGM(MLBシカゴ・カブスの元スカウト)は10月21日に、ナ・スンヨプ(徳寿高校)との契約を締結し、「2度はできない」と笑った。未来の大黒柱としてこれ以上ない人材を口説き落とした彼は続けて、有望株であるキム・ジンウク(江陵高校)の説得にも時間と労力を費やした。

彼は「これまでメジャーリーグのスカウトとして数多くの契約を結んだが、今年のように難しいミッションはなかった。フロント全体が協力してくれなければ不可能だった」と述べた。

韓国プロ野球、ロッテ・ジャイアンツのソン・ミンギュGM

ロッテは今回のドラフトで、韓国球界でいわゆる“共通の敵”となった。ナ・スンヨプ議論で1度物議を醸しており、ソン・ソンビン(長安高校)を含めた1位指名候補の高校生3人を独占したことで非難を受けている。ソンGMが「2度はできない」と述べたのもこの出来事と無関係ではない。

“交わらない”フロントと現場

ロッテのチーム再建はそれほど切実だった。ロッテはここ数年、有望株の育成に失敗しており、育成下手のレッテルを貼られている。

投手陣では今シーズン、ハン・ドンヒが可能性を見せたが、プロ入り同期であるKTウィズのカン・ベクホと比較すると誇れる成績ではない。昨年ドラフト1位指名で入団したソ・ジュンウォンも7勝6敗で防御率5.26とずば抜けた活躍とはいえない。

野手陣にも目立つ若手はいない。韓国代表級のベテランが多数所属してはいるが、彼らは引退や負傷による欠場が多く、常時出場が困難だ。毎年優勝を狙っているチームでもないので、バックアップ不足はフロントと現場の共同責任といえる。

ロッテ・ジャイアンツのホ・ムンフェ監督

ソンGMは2019年末に就任した際、チーム構成に変化をもたらすことでチームカラーを変え、長期的な強豪になれると判断し、2軍システムの再整備や新人ドラフトに力を入れてきた。

選手は実戦を通じて成長するものだ。1軍で活躍するためには、2軍で基礎的な技術と体力を身につけ1軍で検証し、足りない部分があれば再び2軍で調整するのがKBOリーグ式育成法である。しかし、1軍に上がってくる時期は球団のシステムに依存しており、少なくとも今シーズンのロッテの運営には首をかしげるばかりだ。

また、ロッテのホ・ムンフェ監督は、大なり小なりフロントともめていることで有名だ。

2軍から上がってきた選手を積極的に起用することにもほとんどしない。監督は自身の哲学に沿ってチームを率いているが、内部のゴタゴタを外部に漏らして何も良いことはない。

「2軍から昇格した選手が不調なのは2軍の責任」といった発言や、「現場とフロントはそれぞれの役割がある」「監督やコーチが帰っても、選手たちは居残って野球をしなければならない」などの発言は、フロントが気に入らないといった意味に受け取れる。しまいには、球団からも「“何もしなくても良い”発言で論議を拡大させる」という話も出てくる。

試合後にハイタッチをするロッテ・ジャイアンツの選手たち

シーズン中にこのような問題が繰り返され、フロントは現場に対して懐疑的となった。フロントと現場が平行線を辿るようでは育成も体質改善も進展しない。有望株を独占し、スカウトの世界で“共通の敵”となることを甘んじて受け入れたロッテが実を結ぶことができるか、現状ではまだなんとも言い難い状態だ。

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