日本の選手と比較しても際立つ“圧倒ぶり”だ。JLPGA大会にも出場経験のあるイ・イェウォンが、韓国女子ツアーで早くも独走状態となりつつある。
イ・イェウォンは5月14日から18日にかけて行われた韓国女子ツアーのマッチプレー大会「第17回 斗山マッチプレーチャンピオンシップ」で優勝し、賞金2億5000万ウォン(日本円=約2594万円)を獲得。今シーズン3勝目を記録し、獲得賞金も7億ウォン(約7265万円)を突破した。
韓国女子ツアー唯一のマッチプレー形式となる「斗山マッチプレーチャンピオンシップ」では過去に2度準優勝で終わり、トロフィーをあと一歩で逃していたイ・イェウォン。ただ、今大会はグループステージ3連勝を皮切りにラウンド16、準決勝、準決勝、決勝まで7戦全勝の“完全優勝”を成し遂げ、悲願の大会初優勝を果たした。
これでイ・イェウォンは4月3~6日の「斗山建設We'veチャンピオンシップ」、5月9~11日の「2025 NH投資証券レディースチャンピオンシップ」に続き今季3勝目をマーク。韓国女子ツアー8大会終了時点にして最速で3勝に到達し、賞金ランキングでも獲得総額7億5296万4532ウォン(約7812万円)とし、2位と約2億ウォン(約2075万円)近く離し首位を独走している。
現時点で韓国より2大会多い10大会を終えている今季の日本女子ツアーでも複数優勝者がおらず、賞金ランキングも1位の神谷そらが4269万円となっているだけに、韓国女子ツアーにおけるイ・イェウォンの独走ぶりがわかる。
イ・イェウォンは日本で「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」に出場した昨季も、韓国女子ツアーで最も早くシーズン3勝に到達した。ただ、後半戦に調子を落とし勝利数を増やせず、最終的にはパク・ヒョンギョンら4選手と並ぶ“最多勝タイ”。それだけに、今季は単独での最多勝にかける思いも強い。
「昨季もシーズン序盤に3勝を記録し、後半戦に期待を残しましたが、結果は満足いくものではありませんでした。まずは4勝目が目標です。この先も上手くプレーして、単独最多勝を必ず達成したいです」
長丁場のシーズンを戦う体力面も問題ない。「(体力には)自信があります」と胸を張るイ・イェウォンは、「昨年よりも疲れが少なく、ショットの調子も上がっています。夏の暑ささえ上手く乗り切れれば、良い結果が出ると思います」と前を向く。
2003年2月生まれで22歳のイ・イェウォンは2022年に韓国女子ツアーデビュー。同年は3大会で準優勝を記録する活躍で新人王を受賞したが、優勝は一度もなく“無冠の新人王”と呼ばれた。
ただ、2023年の国内開幕戦「ロッテレンタカー女子オープン」で悲願の初優勝を果たすと、同年は年間3勝で大賞(MVP)、賞金女王、平均ストローク1位、の個人三冠を達成。以降、今季まで“3年連続3勝”を果たしており、通算9勝で名実ともに韓国女子ツアーの中心選手に躍り出ている。
“無冠の新人王”、“三冠女王”を経て今は“単独最多勝”に意欲を燃やすイ・イェウォン。2025年シーズンの韓国女子ツアーも彼女を中心に回ることになりそうだ。
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