麻薬使用や暴行などの容疑で裁判を受けている元プロ野球選手オ・ジェウォンが、控訴審でも実刑判決を受けた。
ソウル高等法院は12月20日、麻薬類管理法違反(向精神薬)などの容疑で起訴されたオ・ジェウォンに対し、一審と同じ懲役2年6カ月を言い渡した。
オ・ジェウォンは控訴審で、報復目的の脅迫や暴行の容疑を認めた。また、被害者に金銭を提供したとも述べた。
しかし、裁判所は「犯罪内容やその結果があまりにも重大だ」とし、「一審の判決が重すぎるとも軽すぎるとも言えず、変更の必要性がない」と説明した。
オ・ジェウォンは2022年11月から昨年11月にかけて、11回にわたり覚醒剤(メタンフェタミン)を使用し、昨年4月には知人のアパートの廊下の消火栓に覚醒剤約0.4gを隠していた容疑で起訴された。
また、昨年1月から今年3月にかけては、89回にわたり斗山ベアーズなど野球界の後輩9人から向精神薬のスティルノックス錠(ゾルピデム成分の睡眠導入剤)2242錠を受け取っていた。さらに、名義を盗用してスティルノックス錠20錠を購入した容疑もある。
オ・ジェウォンに関与した斗山ベアーズ選手は複数にのぼる。主力級・準主力級の選手がチーム戦力から大幅に離脱したため、苦しいシーズンを余儀なくされた。結果として、球団は史上初のワイルドカード戦で敗退するという暗い結果を受け入れざるを得なかった。
この事件に関与した選手たちは、韓国野球委員会(KBO)から社会奉仕80時間の処分を受けたほか、放出された選手もいる。オ・ジェウォン1人のせいでチームが大混乱に陥ったのだ。
さらに、オ・ジェウォンは共犯者A氏が麻薬使用の事実を警察に通報しようとした際、彼の携帯電話をハンマーで壊し、襟首をつかむなどして脅迫した容疑も受けている。
また、この事件だけではなく、オ・ジェウォンは今年10月に覚せい剤の譲渡容疑で一審で懲役4カ月、執行猶予2年を追加で言い渡され、現在控訴中である。
さらに、今月12日には睡眠薬の代理処方容疑で一審で懲役1年6カ月を追加され、こちらも控訴している。
なお、オ・ジェウォンは1985年2月9日生まれの39歳。野塔(ヤタプ)高校、慶煕(キョンヒ)大学を経て2007年に斗山ベアーズでプロデビュー。2022年9月の引退発表まで、一軍通算1571試合に出場し、打率0.267、1152安打、64本塁打、521打点、678得点、289盗塁を記録した。
韓国代表としても活躍しており、2014年の仁川(インチョン)アジア大会、2015年のプレミア12、2017年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場してきた。
特に、2015年のプレミア12では日本との準決勝で則本昂大(33、東北楽天ゴールデンイーグルス)相手に代打でヒットを打つなど、印象的な活躍で韓国の優勝に貢献したこともある。現役引退後はSPOTVで解説者を務めていた。
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