“ホワイト国除外”で韓国スマホメーカーが脂汗…サムスンやLGの悩み増える

2019年08月05日 社会 #サムスン

日本が韓国を「ホワイト国」(輸出優遇国)から除外する決定を下したことで、サムスン電子やLG電子など、韓国スマートフォンメーカーや部品メーカーの悩みが大きくなっている。

早くも在庫不足や生産への影響に備えて、緊急対策に乗り出した。特に事態が長期化することを踏まえ、関連取引先や日本企業と次善策がないかについて議論を行っている。

スマートフォンメーカーは、製造に必要な主要素材や部品の調達が困難になるとの見通しが出ている。日本が韓国をホワイト国から除外したことによって、輸出規制される品目がさらに増える可能性が高くなっただけに、韓国内の備蓄量でどの程度持ちこたえられるかが焦点だ。

最短3カ月ほどとの見方もあり、早ければ第4四半期から打撃を受けるとの指摘もある。

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業界では、今回のホワイト国除外によって、スマートフォンの必須素材や部品のうち、イメージセンサー、カメラの遮光フィルム(スペーサー)、スマホカメラのレンズ用樹脂、電磁妨害(EMI)電磁波シールドテープなどが追加で輸出規制対象に上がると見ている。

特にスマートフォンの重要な要素であるイメージセンサーの場合、日本のソニーのシェアが51%にもなる。スマートフォンバッテリーの核心部品である二次電池分離膜も、日本メーカーのシェアが半分を超える。スマートフォンカメラの遮光フィルムもまた、日本企業が韓国メーカーに独占供給している。

もしフォルダブルディスプレイの素材となる「ポリイミド」が輸出規制の対象に含まれ、追加素材や部品にまで規制が拡大された場合、フォルダブルフォンの生産にも支障が生じる可能性がある。

このポリイミドは国産化率が低く、問題が深刻化するとの分析も出ている。フッ素化ポリイミドは、今年1~5月に1296万ドルを輸入したが、そのうち93.7%が日本産だった。

部品の金属の中に電気を誘導する物質を入れ、電気を保存して必要に応じて回路に供給する「積層セラミックコンデンサー(MLCC)」の場合、スマートフォンだけでなく、テレビや家電など、さまざまな電子製品に使われる。MLCCは、日本の市場シェアが60%を超える。

MLCCは、サムスンとLGがいずれも調達している。

サムスン電子は前作ギャラクシーS9に韓国産の部品を使ったが、日本メーカーの製品がより良いと判断し、ギャラクシーS10には日本産部品を使用していたことがわかった。またサムスン電子は、コア素材の内在化比率を引き上げようとMLCCを生産しているが、現在スマートフォンや家電などで使用されているものをすべて置き換えるには、力不足だという見方が強い。

サムスン電子の関係者は「輸出規制が長期化する場合、生産に支障が生じる可能性が排除できないので、今後の状況を注視しながら対応していく」と述べた。

LG電子も、自動車電装部品に使用される車載用のMLCCなどを日本に依存しているのが現状だ。LG電子は、すでに日本産素材の使用状況などを把握し、供給元を多角化する戦略について議論するなど、取引先や顧客に与える影響を最小限に抑えるための努力を傾けていると伝えた。

LG電子の関係者は「関連協力企業を対象に在庫を確保してもらう事前要請をした」とし、「事態がどれだけ長期化するのかわからないため、安定的に供給が行われるよう一緒に考えようと要請した。今後も供給が安定的に行われ、取引先と顧客への影響を最小化できるように考えている」と述べた。

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