韓国警察が直近3年間の偽装捜査を通じて、未成年を対象としたデジタル性犯罪被疑者1400人余りを検挙した。
テレグラムを使用したディープフェイク(虚偽映像物)性犯罪が深刻になったことにより、今後は成人を対象とした犯罪まで拡大する法改正を推進中だという。
9月23日、韓国警察庁によると、デジタル性犯罪に対する警察の偽装捜査許可、児童・青少年性保護法が施行された2021年9月から今年8月末までに計515件の偽装捜査で被疑者1416人を検挙し、内94人を拘束したと発表した。
犯罪類型別では、「児童・青少年の性搾取物販売・配布」が400件(77.7%)で最多という結果に。続いて、「児童・青少年の性搾取物製作・斡旋」66件が(12.8%)、「性搾取を目的とした対話」が21件(4.1%)、「不法撮影物の頒布など」が19件(3.7%)という順となっている。
現行法上、偽装捜査は児童・青少年を対象としたデジタル性犯罪でしか実施できない。警察官の身分を明らかにしなかったり否認する方式の「身分非公開捜査」と、警察官ではない身分に偽装する「身分偽装捜査」に区分される。
今年1~8月の偽装捜査件数は130件で、前年同期の123件よりも5.7%増えた。同期間、検挙人数も326人から387人へと18.7%も増加している。
そんななか、京畿(キョンギ)南部警察庁は最近、昨年12月から今年7月にかけてテレグラムのチャンネルを開設し、芸能人のディープフェイク性搾取物を不特定多数に販売した10代3人を検挙。映像物を有料で購入・視聴した24人も不拘束立件されている。
また忠南(チュンナム)警察庁は偽装捜査を通じて、1~2月にX(旧Twitter)で児童・青少年の性搾取物を販売・広告していた28歳男性を拘束。被疑者は約1万9000点(2テラバイト)分を保有していたことが明らかになった。
なお偽装捜査は警察の職権乱用を防ぐため、捜査官の選抜、教育手続きを厳格に管理している。
身分非公開捜査は、事前に上級警察官署の捜査部署の長から承認を受けなければならず、身分偽装捜査は検察の請求と裁判所の許可を経なければならない。
警察が今年上半期に3つの市・道庁を点検した結果、捜査過程上の違法/乱用事例はなかったという。
警察庁関係者は、「偽装捜査は、テレグラムなど捜査に協力しないメッセンジャーなどを利用する犯罪から証拠を収集し、被疑者を特定・検挙できる効果的な捜査技法」として、「偽装捜査を活性化し、犯行手法がますます高度化するデジタル性犯罪根絶に積極的に先頭に立つ」と話した。
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