韓国保健福祉部による統計庁の死亡原因統計を通じた分析結果によると、韓国で2017年にアルコール性肝疾患など飲酒で死亡した人数は計4809人に上るという。
単純計算で1日に13人が飲酒で亡くなっているということになる。
また、飲酒が原因となった社会的費用も少なくない。健康保険政策研究院の調査結果によれば、飲酒による社会経済的費用は2013年基準で9兆4524億ウォン(約9452億円)と推算された。
さらに韓国大検察庁の資料によると、2016年の殺人、強盗、強姦などの凶悪犯罪の30.35%が飲酒状態で発生したともある。
飲酒の弊害がいろいろと指摘されるなかで、その広告には清純で美しい女性芸能人が使われていることに、違和感を持つ人が増えてきたといえるだろう。
特に興味深いのは、酒とタバコに対する韓国政府の扱いの違いだ。
2019年基準の国家禁煙事業には約1388億ウォン(約139億円)の予算が編成されているが、飲酒の弊害予防管理事業には約13億ウォン(約1億3000万円)しか使われないという。禁煙には100倍もの予算を使っているのだ。
ちなみに、韓国では焼酎のビンに女性芸能人の顔写真が貼られるが、タバコの箱にはガン患者や臓器の写真が貼られている。その扱いに、とてつもない差があることが一目でわかる事例だろう。
いずれにしても今後は、韓国では焼酎のビンに芸能人の写真が使われなくなる可能性が高い。一部では「芸能人への広告出演料がなくなって、焼酎の価格が少しでも安くなるのでは」といった声もあるが、はたして。
(文=慎 武宏)