新型コロナの影響で沈んだ映画業界を蘇らせる方法はないだろうか。
新作映画のお知らせが続々と聞こえてくる中、韓国の映画館は少しずつ活気を取り戻している。5月19日に公開を開始した『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が、公開1週目に観客動員100万人を突破するなど、素晴らしいニュースが続いている。公開1週目で100万人を突破したのは、2020年夏に公開された『新感染半島 ファイナル・ステージ』と『ただ悪から救ってください』(原題)以来10カ月ぶりだ。
注目作を観ようと久しぶりに映画館に足を運ぶ観客の期待とともに、封切りが先延ばしにされてきた作品の上映日程が確定した。映画界はこの“ジェットブレイク”な勢いが続き、映画産業が早く正常化することを願っている。
しかし、社会的距離確保方針によって館内での飲食物摂取が禁止されているため、映画館の収入の一部である飲食が制限される残念さとともに、映画館が危険施設と認識されかねないという懸念の声があるのも事実だ。
映画館は安全な観覧環境を提供するため、政府指針よりもさらに強化された防疫活動を持続的に推進している。また映画館では、皆が一方向に向かって映画を鑑賞し、他人との会話が起こらないという特性があるため、これまで映画館内における追加感染事例は1件も発生していない。
韓国上映館協会は「事実、コロナ感染者が初めて映画館を訪問した2020年1月28日から2021年3月31日までの映画観覧客は約5200万人で、同期間244人の感染者が映画館を訪問したが、1件の追加感染事例も発生していない」とし、「特に244人の感染者のうち半分ほどに当たる114人は、飲食が可能な時期に訪れた観客」と説明した。
にもかかわらず現在映画館は、社会的距離確保の防疫規則によって上映館内の飲食が禁止されており、このため映画館運営はひっ迫している状況だ。これまでは一部映画館の廃業や希望退職などの対策を実施してきたが売上は70%以上減少(2019年比)し、被害額は数千億ウォン(約数百億ウォン)に達するという。
これにより韓国映画館協会は4月、映画館内での飲食を禁止した防疫規則を再検討してほしいという内容の声明文を通じて、「映画産業を生かすためのこれまでの努力が水の泡とならないよう、飲食物の摂取を禁止する政策は積極的に見直されるべきであり、映画館が危険施設と認識されないようにすべきだ」と明らかにした。
また5月12日には映画館業界の正常化に向けて政府の実質的支援を要求する記者会見で、「段階別飲食の緩和」を含む実質的な支援策を政府に要請した。
上映館協会とマルチプレックスの関係者らは、「映画産業正常化のための政府の積極的な支援政策が必要である、特に映画上映界の特性に基づき、上映館内の飲食政策が段階的に緩和されなければならず、7月から適用される第2次防疫措置の内容とは別に、果敢かつ先制的な措置が必要である」と強調した。
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