数多くの未成年女性のわいせつ映像をSNSで流布した“n番の部屋”事件で、“博士の部屋”を運営して起訴されたチョ・ジュビン(24)に、検察が無期懲役を求刑した。
検察は10月22日、ソウル中央地裁・刑事合意30部(イ・ヒョンウ部長判事)の審理で開かれたチョ・ジュビンなどの結審公判で、「被害者たちが被告人を厳罰にしてくれと涙ながらに訴えている。無期懲役と位置追跡電子装置(GPS監視)装着45年を宣告してほしい」と要請した。
検察は、ともに起訴された前職公務員のチョン氏(29)など成人の共犯4人にはそれぞれ懲役10~15年を、未成年者のイ氏(16)には懲役を長期で10年、短期で5年を求刑した。また彼らに性暴行治療プログラムと児童虐待治療プログラム、児童・青少年関連機関と障害者福祉施設の就業制限命令、位置追跡電子装置装着命令なども宣告するように要請した。
被害者側の弁護人を通じて提出した嘆願書で、「忘れられない被害を抱いて生きていかなければならない」とし、チョ・ジュビンの厳罰を求めた。
とある被害者は嘆願書に、「チョ・ジュビンが自分に与えられた才能を利用し、被害者たちに償いたいと反省文に書いたことを見て、むなしい笑いが出た。反省だけで、今の状況をどうやって解決するのかわからない」と書いた。
また別の被害者は「チョ・ジュビンや共犯者たちが2000年の刑を受け、それを手本として、二度と社会に悪いことが起こらないように、誰もこのようなことをされないよう、強く処罰しなければならない」と強調した。
チョ・ジュビンの弁護人は、「今回のような犯罪が誘発され、長期間行われ、それによって利益を得ることができる社会的な環境も考慮しなければならず、環境に起因する責任までチョ・ジュビン氏に聞いてはならない」と善処を訴えた。同時に「この事件の被告人が処罰を受けても(似たような犯罪で)利益を得る者が再び表れるはずであり、その方法もますます発展していくだろう」と説明した。
チョ・ジュビンは2019年5月から今年2月まで、女性を脅迫してわいせつな映像や画像を撮影し、それをメッセンジャーアプリ「テレグラム」の“博士の部屋”で販売・流布した容疑で、4月に拘束起訴された。
“博士の部屋”を運営していたチョ・ジュビンは、アルバイトなどと称して女性を募集し、応募時点で個人情報や顔が映ったわいせつな画像を受け取り、それを口実に脅し、さらに過激な映像を撮影させたとされる。
そんな映像を数十万人がSNSで共有していたということで、韓国社会を震撼させた。通称“n番の部屋”事件だ。
検察は、チョ・ジュビンが犯罪団体を組織して膨大な分量のわいせつ映像を制作・配布したと見て、犯罪団体組織容疑で6月に追加起訴した。
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