『サイコだけど大丈夫』で「沼にハマった」ファン必見! キム・スヒョンの華麗な“俳優の軌跡”

2020年08月16日 話題 #韓国ドラマ #特集

日本でも多くの視聴者を虜にしている韓国ドラマ『サイコだけど大丈夫』。人生の重みから愛を遠ざけた精神病棟の保健福祉士ムン・ガンテと、愛を知らない童話作家コ・ムニョンが互いに傷を癒し合うヒーリングロマンスだ。

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同作は、去る6月から韓国のケーブルチャンネルtvNで放送され、Netflixでも同時に配信がスタート。去る8月9日に最終回を迎えたが、Netflix上では現在でも総合TOP10のベスト3にランクインしている。

新型コロナウイルスの影響で外出自粛が呼びかけられて以降、『愛の不時着』や『梨泰院クラス』など、Netflixからブームに火が付く韓国ドラマが目立つようになった。そんな背景から、『サイコだけど大丈夫』がこれほどまで支持されるのも十分に頷ける。

ただ、このドラマのヒットを語るうえで欠かせないのが、主人公のムン・ガンテを演じたキム・スヒョンの存在だろう。

ムン・ガンテは、自閉症の兄の面倒を見ながら、夢も希望も自身から遠ざけて献身的に生きてきた精神保健福祉士。キム・スヒョンは劇中で「一見すると大丈夫そうに見える青年」の複雑な感情を繊細に描き出し、視聴者の心を掴んで離さなかった。

(写真提供=tvN)

「信頼しかない」不動のヒットメーカー

そもそもキム・スヒョンは、韓国ではその名を知らない者がいないほどのトップスターだ。出演したドラマはいずれも大ヒットを記録しており、日本でも『太陽を抱く月』『星から来たあなた』などがいわゆる“韓ドラファン”の間で絶大な反響を得た。

さらに言えば、キム・スヒョンは2017年から昨年7月まで兵役によって軍服務に就いていた。『サイコだけど大丈夫』は、ファンが待ちに待っていた除隊後初の主演ドラマなのだ。

とはいえ、日本ではNetflixの普及によって彼の存在を知ったドラマファンも少なくないのが現状だ。『サイコだけど大丈夫』が配信されて以降、ツイッターをはじめとしたSNS上では「『サイコ』の主演俳優さんが魅力的すぎる」「こんな素晴らしい俳優をノーチェックだったとは…」といった称賛の声が続々と上がっている。

抜群の存在感で多くの視聴者を魅了するキム・スヒョンだが、そのスター性は決して最初から備わっていたわけではない。「学生時代は周囲が心配するほど内向的だった」という話は、ファンの間で有名だ。

キム・スヒョンは1988年2月16日、ソウル特別市で生まれた。演技を始めたきっかけは、消極的な性格を案じた母親が演技を勧めたことだった。

そんなキム・スヒョンの俳優デビューは、2007年。韓国の地上波MBCによるホームドラマ『キムチ・チーズ・スマイル』で外見にかなり気を使う水泳部員という、コミカルで微笑ましいキャラクターを演じ視聴者を魅了した。

翌年にはドラマ『ジャングルフィッシュ』の主演に抜擢され、その後も短編映画『チェリーブラッサム』『最悪の友達』などに出演し、着実にキャリアを積んでいった。2010年にはドラマ『クリスマスに雪は降るの?』『ジャイアント』などで披露した演技が評価され、その年のSBS演技大賞でニュースター賞を受賞している。

数々の活躍のなかでも、ブレイクのきっかけとなったのは2011年に出演した学園ドラマ『ドリームハイ』だろう。“ヨン様”ことペ・ヨンジュンとJ.Y.Parkによって共同制作された同作で優れた演技力と歌唱力が評価され、次世代スターとして一躍人気を集めた。

そこからの活躍は、まさに破竹の勢いといえる。

2012年に放送された主演時代劇『太陽を抱く月』は最高視聴率40%を超える大ヒットとなり、翌年にはドラマ『星から来たあなた』でトップ女優チョン・ジヒョンと共演し、実力派俳優としての存在感を確かなものにした。

『星から来たあなた』​​​​​

この頃になると、演じるキャラクターの幅広さが注目されるようになる。

『星から来たあなた』では、400年間生きてきた宇宙人で大学講師という斬新なキャラクターを見事に演じ、同年に韓国で公開された映画『シークレット・ミッション』では、北朝鮮のエリートスパイでありながらバカのふりをする青年リュファンを好演している。リュファン役に関しては、あまりにもの破天荒ぶりに観客から「本当にキム・スヒョンなのか」という声が上がったほどだ。

ちなみに、このリュファンは『愛の不時着』にもサプライズ登場しており、キム・スヒョンの“粋な特別出演”は作品の人気に拍車をかけることとなった。

『愛の不時着』より(写真提供=tvN)

「利き腕すらも変える」努力とこだわり

キム・スヒョンの演じる多彩なキャラクターには誰もが心を奪われるが、その背景には想像を絶するほどの努力がある。

キム・スヒョンはもともと左利きなのだが、歴史ドラマや右利きが相応しいと考える役では右手を利き腕として使っているという。実際に、『サイコだけど大丈夫』では左手でペンを握っているが、『星から来たあなた』では右手で器用に箸を使う場面を見ることができる。

セリフに対する情熱もすさまじい。配役が決まった際には同じセリフを1000回ずつ、声のトーンを変えながら練習するというのだから驚きだ。

ストイックな姿勢を見せる一方で、意外な一面も併せ持つのがキム・スヒョンだ。

2013年に『シークレット・ミッション』で共演を果たしたパク・ギウンは、キム・スヒョンと共に出演したラジオ番組で「スヒョンはお茶目でひょうきんな性格をしている」と話したことがある。

当時ラジオパーソナリティを務めた歌手ユンナもまた、「以前お会いしたときに、突然私の歌を歌いだした。私の想像していたスヒョンさんではないな、と思った」と明かしていた。

数々のヒット作を生み出し、トップスターとして華麗な活躍を続けるキム・スヒョン。『サイコだけど大丈夫』で多くの視聴者の心を掴んだ今、日本中で熱い旋風が巻き起こる日も近いかもしれない。

(文=姜 由奈)

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