韓国では、2009年の『花より男子-Boys Over Flowers』を皮切りに、日本マンガ原作ドラマのブームが起きた。
しかし、以降に作られた『のだめカンタービレ』をドラマ化した『のだめカンタービレ~ネイル カンタービレ』(14)をはじめ、『俺はまだ本気出していないだけ』(同名原作、22)、『今日のウェブトゥーン』(『重版出来』、22)などの作品は、パッとしない成績に終わっている。
だが今回、そのジンクスを打ち破る作品が出てきた。
Netflixオリジナルシリーズ『寄生獣 -ザ・グレイ-』が4月17日、Netflixグローバルトップ10シリーズで英語、非英語部門を合わせて1位を記録し、日本マンガ原作・韓国ドラマの可能性を再び呼び起こしたのだ。
『寄生獣 -ザ・グレイ-』は、岩明均氏の人気漫画『寄生獣』(88)をベースとしたスピンオフドラマだ。原作は日本を舞台にしたミギーと泉新一の物語だったが、Netflix版は韓国を舞台として寄生生物ハイジと共生することになったチョン・スイン(演者チョン・ソニ)を描いている。
実写化にあたって最も憂慮されたCGも、2014年に公開された日本実写映画と比べても劣らない完成度だ。寄生生物の動きと戦闘も迫力あふれるように描写で表現しており、特に、宿主の顔が割れて寄生生物が飛び出すシーンは好評を得た。ほかにも、飛行が可能だったり、宿主の体を自由自在に乗り換えるなど、多彩な能力も充分に表現されている。
そしてシーズン2を暗示するような結末は、日韓両国、原作・韓国版の繋がりという点で、卓越した選択だという評価だ。日本から来たルポ記者だと名乗り、チェ・ジュンギョン(演者イ・ジョンヒョン)と握手する泉新一(演者・菅田将暉)の姿は、今後のストーリー拡張に期待を持たせるには十分すぎるほどだった。
作り込まれた世界観を原作者も好評している。岩明氏は3月22日、「原作を尊重するという感じを受けた。その一方で、独自の発想とアイディアが随所で垣間見えた」として、「VFXの部分はひたすら圧倒され、魂を失って楽しんだ」と伝えたほどだ。
日韓が融合した本作について、大衆文化評論家のチョン·ドクヒョン氏は、「海外のマンガをドラマ化する時、有名な原作であるほど比較を甘受しなければならない。韓国の情緒で作られた作品ではないため、リメイクの過程で再解釈を上手くしなければならないからだ。この2つが難しい点だと考えられる」と分析。
続いて、「最近、日本のアニメマニア層がかなり上がってきた。若い世代にアピールするポイントがあって、他国の作品よりも認知度がある。一方で、その長所が短所になることもある。広く知られているので、原作と絶えず比較されるだろう。だからといって、原作と似ていれば“韓国版を作ることに何の意味があるのか”という批判も出てくる」と話す。
反面、韓国のウェブトゥーンベースの作品も日本で人気を集めている。ウェブトゥーン『肝臓を奪われた妻』が現在、日テレ系の同名ドラマとして放送されており、『梨泰院クラス』を実写化した『六本木クラス』(20)も作られた。
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