相次いで発生している“刃物事件”で韓国社会に不安が広がっているなか、とある誤通報で一時騒動になった原因がBTSファンにあったことがわかった。
警察や消防当局によると、8月6日20時30分頃、ソウル地下鉄9号線の乗客から「異常な臭いが出ている」「人々が倒れている」「駅のなかに暴れている人がいる」といった通報が20件余りも入った。
そのなかには生物化学テロの疑いがあるとの通報もあったという。
通報を受け、地下鉄は新論峴(シンノニョン)駅に停車。乗客はすぐに列車から抜け出し、その過程で階段などで人々が倒れて7人が負傷した。オンライン上では「刃物事件が発生した」「毒ガステロだ」などの声まで広がった。
しかし警察などが列車内部を確認したが、特別な事件が起きているわけではなかった。負傷した7人中、6人が病院に移送されて事態は収拾された。
結果的に今回の騒動は地下鉄乗客たちの“勘違い”だったわけだが、その発端がBTSファンの悲鳴だったことが明らかとなっている。
同日、ソウルオリンピック公園KSPOドームではBTSのメンバー、SUGAのソロコンサートが行われた。SUGAはコンサート終了後、ライブ放送を行ったのだが、そのライブ放送を地下鉄に乗って見ていたファンが団体で同時に歓声を上げたことが発端だったというのだ。
自身を目撃者と主張するオンラインユーザーは「SUGAがコンサート直後にライブ放送をしながら、友情タトゥー(BTSメンバーが全員入れているタトゥー)を公開したのだが、地下鉄に乗って帰っていたファンらがそれを見ながら興奮して声を上げた」とし、「その叫び声を聞いた横の車両の人々がパニックになって退避し、警察への通報が行われて刃物事件のデマが広がった」と主張した。
警察も「列車の中でBTSの映像を見ていた外国人たちが声を上げて発生したハプニング」と明らかにした。
最近、韓国では無差別の刃物事件が次々と発生している。そのためBTSファンの歓声が乗客には悲鳴に聞こえ、騒動が起きてしまったわけだ。韓国市民の不安がいかに高まっているかを伝えてくれるハプニングだった。
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