韓国ではケーブルチャンネルで視聴率1%取ることを“奇跡”と呼んだ時代があった。しかし今は、二桁の視聴率も夢ではない。トップスターをキャスティングすることも珍しくない。その中心に韓国tvNがある。
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去る10月9日、tvNは開局15周年を迎えた。現在のtvNにいたるまでには、苦労も少なくなかった。草創期には『ローラーコースター』『ブッとび!ヨンエさん』『SNL』シリーズなど、リアリティが生きている楽しいコンテンツに集中した。
しかしその後、ナ・ヨンソクPD、シン・ウォンホPDなどのスターPDが移籍し、tvNだけのアイデンティティを構築していった。ナPDは『新西遊記』シリーズをはじめ、『三食ごはん』『ユン食堂』シリーズなど、tvNの“親孝行”バラエティ番組をローンチし、金曜日の番組表に“ナ・ヨンソクブロック”が生じるほどだった。
芸能PD出身のシン・ウォンホPDは『応答せよ1997』などの「応答せよ」シリーズ、『賢い医師生活』など「賢い」シリーズを披露し、新しいドラマの形態を開いた。その過程でチョン・ウンジ、ソ・イングク、ヘリ、パク・ヘス、チョン・ミドといった新鮮な俳優たちも発掘した。
さらにtvNは『秘密の森』シリーズ、『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』『愛の不時着』など、韓国を超えたキラーコンテンツで真価を証明した。
これまでの歩みを数字に換算すると、さらにその快進撃が明確になる。視聴率は、なんと7.4倍に増加した。コンテンツ制作費も5.7倍だ。絶え間ない投資と挑戦の末、生み出された成果と解釈することができる。
地上波を脅かすチャンネルとなってから久しい。いわゆる“大ヒットラッシュ”を決め、その後に停滞する時期もあったが、『驚きの土曜日』、帰ってきた『賢い医師生活』、現在放映されている『海街チャチャチャ』など、人気コンテンツも着実に生産されている。
来る10月23日に初放送を控えたキム・ウニ作家の新作であり、チョン・ジヒョン、チュ・ジフン主演の新ドラマ『智異山』も今年下半期最高の期待作として挙げられる。
とある業界関係者は、「過去、スターたちにとってtvNは未知の領域だった。しかし現在は最初に出演したいチャンネルに位置づけられた」とし、「俳優たちが出演するうえでも環境が良く、ジャンルや物語の多様性も多い。いわゆるトップスターたちも一度は経ている」と耳打ちした。
バラエティとドラマに限定されていない試みも目立つ。最近ではサッカーの中継権を獲得するなど、スポーツ分野でも頭角を現している。その一環として、スターたちのバドミントン戦記を取り入れた『ラケット少年団』もローンチした。着実に発展していくための試行錯誤が続いている。
tvNを運営するCJ ENMのカン・ホソン代表は「過去15年間、tvNは攻撃的な投資と積極的なクリエイター支援を通じて、ウェルメイドIP量産システムとインフラを構築した」とし、「顧客の好みをリアルタイムで反映し、コンテンツ制作の形態を多様化して、様々な顧客のニーズを満足させようと努力してきた。その努力が、国内メディア業界をリードすることを越え、グローバルにも通じて“NO.1 K-コンテンツ”チャネルとしての存在感を育てている。引き続きtvNは、惜しみないコンテンツ投資とクリエイター支援によって、国内とアジアを越えて全世界の境界を崩す“NO.1 K-コンテンツ”チャンネルとしての競争力と影響力を強化する計画だ」と明らかにした。
コンテンツの質的、量的な成長に寄与してきたtvNは、最近になってNetflixなどOTTの飛躍的な成長に支えられ、オンラインストリーミングサービス「TVING」も1周年を控えている。
tvNはTVINGとの同行を続けている。『ユミの細胞たち』は、TVINGオリジナルコンテンツで、TVINGとtvNで視聴が可能だ。今後もこのようなコラボが継続される見通しだ。TVINGがwavveなどと共に“K-OTT”の底力を見せるかが注目される。
とある放送関係者は、「15年前は地上波に劣らないケーブルチャンネルが誕生するだろうと誰も予測できなかったが、将来を見て絶え間ない投資をした点が、現在のtvNを作ったようだ」とし、「今後は現在のようなリニアチャンネルによる単純な制作/送出ではなく、tvNというブランドを持つコンテンツ制作集団として成長していくのではないか」と語った。
続いて「今回のメタバースも結局はtvNが培ってきたIPのおかげで可能となり、業界でも多くの注目を集めた。物理的な限界なく、世界中の視聴者たちも参加可能である点が利点のようだ」と付け加えた。
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