専属契約を巡り対立している ADORとNewJeans(NJZ)が法廷で争いを繰り広げた。
【現地写真多数】NewJeans(NJZ)の5人がスーツ姿で地裁に
3月7日、ソウル中央地裁・民事合意50部(キム・サンフン首席部長判事)は、ADORがNewJeansメンバーを相手に起こした「所属事務所としての地位維持および広告契約締結禁止仮処分」に関する審問を行った。
審問にはメンバー5人とキム・ジュヨンADOR代表が出席。ADOR側は「専属契約が解除されるべき理由は存在しない」とし、「専属契約の解除は、芸能活動の機会を提供しなかった、または収益の未精算など、重大な義務違反があった場合にのみ成立するが、ADORは契約上の義務を誠実に履行してきた」と主張した。
また、「NewJeans側が契約解除の理由として挙げたのは、『HYBEがNewJeansを嫌っている』『差別している』というものだが、利益を追求する企業が、自社の主要な収益源を自ら排除するなどあり得ない」と反論した。
さらに、ADOR側は、HYBEがNewJeansに対して210億ウォン(約21億円)を投資し、50億ウォン(約5億1000万円)を支払った事実にも触れ、「メンバーの才能と努力だけでNewJeansの成功を語ることはできない。専属契約の維持はK-POP産業の基盤であり、それを崩すことは業界全体に悪影響を及ぼす」と強調した。
ほかにも、「NewJeansは独自の活動を進めており、専属契約違反を重ねている。ADORと決定的に決裂する方向へ進もうとしているのではないか」と指摘している。
ADOR側は審問後、HYBEがNewJeansのメンバーに、済州航空事故の追悼リボン着用を妨害したとの主張についても反論。「アーティストの追悼リボン着用を会社が阻止する理由はない」とし、当時の状況について次のように説明した。
「HYBEはNewJeansだけでなく、各レーベル所属のアーティストの追悼リボン着用の可否と方法について慎重に検討していた。特に、日本のテレビ番組では放送局との事前調整が必要だったため、各レーベルに対して『リボン着用の理由についての字幕やMCコメントを事前に調整する必要がある』と伝えていた。すべてのアーティストに同じリボンを提供する予定だったが、NewJeansのメンバーは『自分たちが用意したリボンを着けたい』 と意思を示したため、最終的にそれを尊重した」と述べた。
一方、NewJeans側は「本質的な問題は、HYBEとADORがNewJeansを差別・排除し、他のグループと入れ替えようとしたこと」と主張。「それにも関わらず、反省や謝罪もなく、むしろNewJeansを『奴隷のように縛り付け、活動できないようにしようとしている』」と非難した。
そして、同じくHYBE傘下レーベルのILLITのコンセプトがNewJeansの模倣だとする「パクリ疑惑」、練習生時代の映像流出問題、元ADOR代表ミン・ヒジンに対する攻撃、ハニに対する「無視事件」などを例に挙げるとともに、「これはK-POP業界の問題ではなく、特定の企業による違法行為に関する問題である」と訴えた。
法廷に出席したNewJeansのメンバーたちは、「支えてくれるどころか、見えないところで嫌がらせを繰り返してきたADORでは、もはや活動を続けることも契約を履行することもできないと判断した。どうか、この気持ちを理解してほしい」と涙ながらに訴えたという。
今後の展開は?
NewJeansは2023年11月、ADORが契約上の義務を果たしていないとして専属契約の解除を宣言し、その後はグループ名を「NJZ」に変更して活動を続けている。
一方のADORは契約が有効であることを主張し、専属契約の有効性を確認する訴訟を提起した。
BTSなども所属する韓国最大手芸能事務所の内紛は、今後どのような結末を迎えるのか。業界全体が訴訟の行方を注視している。
(記事提供=OSEN)
◇NewJeans(NJZ)プロフィール
2022年7月22日にミュージックビデオを公開し、「NewJeans」として電撃デビューした5人組ガールズグループ。2004年生まれのミンジとハニ、2005年生まれのダニエル、2006年生まれのヘリン、2008年生まれのヘインで構成された。デビューアルバム『New Jeans』の発売と同時にライジングアーティストとして急浮上。デビュー曲『Attention』と『Hype Boy』が韓国Melonの「TOP 100」チャートで1、2位を記録した初のガールズグループとなった。またK-POPグループで初めてデビュー曲(『Attention』)がSpotifyの「ウィークリートップソング・アメリカ」にチャートイン。所属事務所ADORとの紛争のなか、2025年2月7日にグループ名を「NJZ」に変更すると発表した。
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