映画『新聞記者』の女優シム・ウンギョン(25)が、「第43回日本アカデミー賞」で最優秀主演女優賞受賞たことに続き、3月22日には映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(箱田優子監督)で「第34回高崎映画祭」の最優秀主演女優賞に輝くという快挙を成し遂げた。
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韓国の女優が日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞するのは、シム・ウンギョンが初めて。加えて最年少受賞(27歳)の記録も打ち立てることとなった。
シム・ウンギョンの受賞にはさまざまな意味がある。
彼女が主演を努めた『新聞記者』はフェイクニュースやコメント操作など、国が隠そうとする真実を追求する人々の物語で、安倍首相が関与したスキャンダルを連想させる作品として注目を浴びた。
社会を批判する映画という点と、大手映画配給会社ではないというハンデがあったが、シム・ウンギョンはこの壁を突破することに成功した。
また、宮沢りえ、松岡茉優、二階堂ふみら日本国内のスターとともにノミネートされ、受賞したという点も大きな意味を持っている。
日本国内の映画祭の中でもっとも高い信頼度と規模を誇る高崎映画祭では、映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』で最優秀主演女優賞を受賞し、演技力の高さを証明した。
シム・ウンギョンは2003年韓国のMBCドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』でデビューし、『ファン・ジニ』『太王四神記』などに出演しながらハ・ジウォン、イ・ジアなどの幼少時代を演じた。
さらに、映画『サニー 永遠の仲間たち』(2011年作)、『怪しい彼女』(2014年作)などを成功に導き、20代を代表する女優に成長。幼い頃から培ってきた演技力とすべての役を独自のカラーで表現する姿を通じて、大衆に愛されてきた。
そんなシム・ウンギョンは2017年新しい挑戦に乗り出す。
日本の芸能事務所と契約を結んだあと、日本語の勉強とオーディションなどに専念し、演劇の舞台に立って着実に経験を積んだのだ。
『新聞記者』の出演が決まってからは直接新聞社を訪れ、記者たちの姿を観察するなど努力を重ねた。
実際に『新聞記者』のモデルになった人物も、細かい仕草まで真似するシム・ウンギョンを見て、称賛した。
そのような努力が合わさって『新聞記者』は異例の興行成績を収め、公開当時は「映画.com」のアンケート調査でシム・ウンギョンが俳優人気ランキングの1位に上がったりもした。
これまで日本で人気を集めた韓流スターは、主に美男子ビジュアルの男性スターがほとんどだった。
しかし、シム・ウンギョンは演技力だけで認められた韓国女優だからこそ、特別な意味を持つ。
このほど、主演ドラマ『マネーゲーム』(原題)を終えたシム・ウンギョンは、今後も韓国と日本を行き来しながら活動する見込みだ。
今年7月には、富司純子と共演した映画『椿の庭』が、日本で公開される予定。
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