新型コロナウイルスの感染者が5000人を超えた韓国では現在、コロナ関連のデマで芸能界が疲弊している。
「誰々は感染者だ」といったデマで苦しんでいた韓国芸能界は、今度は新興宗教の信者だと疑われる悪質なデマに震えている。
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先立って芸能人のスタッフやファッション関係者の感染が報告され、イタリア・ミラノのファッションウィークに参加した芸能人にも感染のデマが流れた。疑惑を否定して騒動が落ち着くと、今度は新興宗教と関連したデマが拡散した。
その新興宗教「新天地イエス教会」は、韓国で感染拡大の原因とされている。感染拡大防止の取り組みを拒み、大邱(テグ)市で信者の集団感染を起こしたからだ。
去る3月2日に新天地イエス教会のイ・マンヒ総会長が土下座する公式謝罪を行ったが、彼らに対する指弾は続いている。
そんな新興宗教と関係がある芸能人、いわゆる“新天地芸能人”というチラシ(怪文書)が急速に広がっており、2次被害が発生している。
なんら根拠のない、憶測が作り出したフェイクニュースに他ならない。しかし多くのトップスターの名前が挙げられているだけに、世間の注目が集まらざるを得なかった。新天地イエス教会はコロナ感染拡大の原因とまでされているだけに、そこに名前が挙がったこと自体がイメージダウンにつながる。
事実かどうかは、二の次といった様子だ。だからこそ所属事務所が直接解明に乗り出している。デマの被害者である芸能人たちが自ら解明しなければならない、皮肉な状況が繰り広げられているわけだ。
歌手のIVYは3月3日、SNSを通じて「こんなときほどデマが増え、本質を曇らせる場合が多いようだ。あまりにもとんでもなく、笑いも出てこない。嘘が幅を利かせる世界」と悔しさを伝えた。
IVYがコメントとともに公開した“チラシ”はモザイク処理されていたが、数多くのスターたちが含まれていることを推測させる。
また『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』で知られるイ・ドンウクの所属事務所キングコングby STARSHIPも、公式SNSを通じてデマを否定した。
「最近所属アーティストへの特定宗教関連のデマが流布していることを確認した」とし、「当社は事実と無関係なデマの量産、悪意のある誹謗、名誉毀損にあたる書き込みに対して強硬な法的対応をする方針」と付け加えた。
歌手チョンハもライブ放送を通じて、デマを否定した。
他にも女優ナム・ギュリ、歌手GUMMYをはじめ、SMエンターテインメント、FNCエンターテインメント、BHエンターテインメント、キーイースト、ナム・アクターズなどが「現在オンラインコミュニティとSNS上で特定の宗教と関連し、当社のアーティストが記載されながら流布されている内容は事実ではない。まったく根拠のないデマで、当社のアーティストは特定の宗教とは無関係であることを申し上げる」と伝えた。
また「根拠のないデマでアーティストの名誉を毀損する不法行為(デマの作成、公開、流布)が確認された者たちに、法的措置をとることを知らせる」と強力な対応を示唆した。アーティストと所属事務所の迅速な対処が、悪質なデマを正した。
多くの韓国スターたちは現在、新型コロナと関連して寄付活動を行っており、良い影響を広げている。
数千万ウォン(数百万円)から数億ウォン(数千万円)と、金額だけでも膨大な額に達しており、彼らの思いはそれより大きい。そんななかで無分別な憶測とデマが広がっているだけに、残念さが残る。
終わりが見えない悪質なデマも、“深刻段階”に引き上げるべき状態だ。
ある業界関係者は「芸能界も騒然としている。寄付をした、していないなどで傷つき、活動にも制約が生じる難しい状況であるのに、デマまで量産されている」と伝えた。
別の関係者は「一部ではチラシの取り組みについて悩んでいるものの、さらに大きな騒動にならないか神経を使っている。被害者が顔色をうかがわなければならない状況が残念だ」と話した。
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