現在「TWICE WORLD TOUR 2019 ‘TWICELIGHTS’」を開催中のTWICEは、日本政府の要請を受けて3月に予定していた日本・東京ドーム公演を4月に延期した。3月7~8日にソウルで開催予定だったアンコール公演も、韓国内の感染者急増によって中止を決定している。
2月24日には人気グループBTS(防弾少年団)が、ニューアルバムの発売記念グローバル記者会見を急きょYouTubeでのライブ配信で代替。記者との質疑応答もオンライン上で行う異例の光景が広がった。
ほかにもSEVENTEEN、SHINeeのテミンなど、人気アーティストたちの公演中止が相次ぐなか、多数の観客やスタッフ、アーティストが動員されるテレビ局の音楽番組や、その他公開番組の関係者も頭を抱えている。
音楽番組の場合はすでに観客なしの収録を行っているが、臨場感が必要なオーディション番組は収録が取り消される傾向だ。旅バラエティ番組は放送休止の可能性が出てくるなど、新型コロナの余波が顕著になってきている。
大打撃を受けているのは映画業界も同じだ。
映画『パラサイト 半地下の家族』のオスカー4冠などで活気を帯びていたはずだったが、韓国映画振興委員会のデータによると、2月の全国観客動員数は734万7033人に止まったという。
これは韓国映画振興委員会の集計システムが完備された2011年以後、月別では史上最低。昨年2月の前年比(2227万7733人)の3分の1にしかならない。半分以下にまで減少してしまっている。
現在上映中の『1917 命をかけた伝令』をはじめ、『藁にもすがる獣たち』(原題、キム・ヨンフン監督)、『正直な候補』(原題、チャン・ユジョン監督)などの映画興行収入の落ち込みもさることながら、2月26日に公開予定だった『パラサイト』のモノクロ版も封切りが延期になってしまった。
また、『パラサイト』で長男ギウ役を演じた俳優チェ・ウシクが主演する『狩りの時間』(原題)や、『潔白』(原題)、『コール』(原題)といった新作映画が次々と公開延期を発表しており、映画業界が苦戦を強いられている。
韓国社会は大きな不安と混乱が生じている状況だが、昨年発生した「江原道(カンウォンド)山林火災」のとき同様、芸能人たちが以前にも増して“寄付リレー”を続けているのがせめてもの救いといえそうだ。
新型コロナウイルスの感染が韓国全国に広がるにつれ、俳優イ・ビョンホン、コン・ユ、キム・ウビン、チョン・ウソン、女優キム・ゴウン、シン・ミナ、ソン・イェジン、キム・ヘス、歌手IUなど、数多くの芸能人たちが巨額の寄付を行っている。
寄付した金額や地域、方法はさまざまだが、マスクや消毒液の品薄の中でこれ以上感染が拡大しないでほしいという、同じ気持ちなのだろう。
新型コロナウイルスに揺れる韓国芸能界。これ以上悪影響が広がらないといいのだが。
(文=慎 武宏)