少し前まで彼らと同じ釜の飯を食べたとはいえ、キム・グァンヒョン(31)は去る瞬間まで迷惑をかけまいと配慮した。
キム・グァンヒョンは、今シーズンから夢にまで見たメジャーリーグで新たな挑戦を始める。ショウジョウコウカンチョウが胸にプリントされた、セントルイス・カージナルスのユニホームを身にまとった。
メジャーの春季キャンプは、通常2月中旬から始まる。韓国プロ野球からメジャーへと進出する場合、選手は直前まで所属した韓国プロ野球のチームで準備を行うのが一般的だ。
過去にはパク・ビョンホやカン・ジョンホ、そしてリュ・ヒョンジンが、前所属のハンファ・イーグルスがアメリカでキャンプを行わなかったため、アリゾナにキャンプ地を構えたLGツインズのキャンプに合流したこともあった。
先代にならい、キム・グァンヒョンもアメリカのベロビーチで春季キャンプを行うSKワイバーンズでウォーミングアップに取り組んだ。10日間しっかり汗を流し、2月9日、カージナルスが春季キャンプを行うフロリダ州のジュピターへと移動した。
SKの春季キャンプに参加中、キム・グァンヒョンは以前の同僚に少しでも邪魔にならないようにと務めた。ブルペンでの投げ込みも、SKの投手たちが始める前に終わらせた。ともにするときもあったが、あえてそのようにしたという。
また、さまざまな報道陣によるインタビューもすべて断った。彼は、カージナルスのジュピターキャンプであればインタビューに応えると報道陣に伝えている。今回のSKの春季キャンプで主人公のようになってしまうことを極度に避けてのことだ。
とはいえ、キム・グァンヒョンの短い合流期間が終わり、別れが来たときにはキム・グァンヒョンとSKの選手間で時間が設けられた。2月8日の夜、SKの選手たちはキム・グァンヒョンに向かって「頑張ってきてほしい。でも、最後は必ずここに戻ってこい」と思いを託した。
キム・グァンヒョンも「必ず活躍して戻ってくる」と約束した。球団からは、ファンがキム・グァンヒョンを応援する様子を込めた特別映像が送られた。
カージナルスがキム・グァンヒョンに抱く期待値は大きい。ストーブリーグ期間の最高のニュースが、先発候補として獲得したキム・グァンヒョンに関するニュースであったほどだ。彼に先発登板の機会を保証すれば、二桁勝利も十分に可能と期待されている。
メジャー挑戦を前に、前所属チームに対する配慮を見せたキム・グァンヒョンは、2月12日から始まるカージナルスの春季キャンプに合流する。
前へ
次へ