耳ピアスで水ガブ飲みのC.ロナウドには契約書も紙切れか。韓国に怒りと傷だけ残した90分

ユベントスの来韓試合は、ある意味で歴史に残る90分になった。

スタンドを埋め尽くした観客たちの歓声が怒りに変わったのは、1時間で十分だった。リオネル・メッシとともに世界サッカーファンたちの人気を二分するスーパースターであるクリスティアーノ・ロナウドの態度に6万5000人の観客たちは怒りだけを腹いっぱいに抱えて席を立った。

ペレやディエゴ・マラドーナ、ジョージ・ウェア、デビッド・ベッカム、リオネル・メッシなど、かつて韓国を訪れたビッグネームもロナウドほどではなかった。彼らも来韓してフルタイム出場はなかったが、わずか15分でもピッチに姿を現し、最小限の礼儀は守った。

【写真満載】「ロナウドの屈辱」「歴史的詐欺」とも。ユーベ対Kリーグで何があったのか!!

ロナウドは違った。“チーム以上の存在”だった。業界関係者は「十分予想されたことだ。ユベントスというチームの上にロナウドがいるため今回のようなことが起きた」と口をそろえた。

ロナウドは7月26日に開かれたユベントス対チームKリーグ(Kリーグ選抜)の親善試合に結局、出場しなかった。

試合当日、中国からのチャーター機の出発が遅れて、韓国での日程が連鎖的に遅延され、キックオフが約1時間遅れても忍耐強くロナウドの登場だけを待っていたファンは、ついに怒りを爆発させた。SNSには、ロナウドのユニフォームをゴミ箱に入れる写真まで流れているほどだ。

この日の試合の中核はロナウドであり、主催社のTHE FESTA社と韓国プロサッカー連盟もそれを核心コンテンツとして広報宣伝した。

チケット価格が最高40万ウォン(約4万円)まで高騰したのも、やはりロナウドがいたからだった。しかし、彼は耳にピアスをしてベンチに座り、水だけをがぶがぶ飲むだけだった。

観衆は後半10分頃、ロナウドが電光掲示板に映ったとき、ブーイングを浴びせた。その後は「ロナウド」を連呼しながら出場を哀願した。それでもロナウドが気付かないとみると、彼のライバルである「メッシ」の名を連呼した。

THE FESTA社と韓国プロサッカー連盟はロナウドが出場しない場合、違約金をそれぞれユベントスとTHE FESTA社に請求できるような内容を契約書に盛り込んだという。

だが、 その契約書もロナウドの前では紙切れに過ぎなかった。

違約金は数億ウォン(数千万円)になるといわれているが、その金ではユベントスがロナウドを説得する力にもならなかったし、ロナウドがベンチから立ち上がり体をほぐす理由にもならなかった。年間収入が2000億ウォン(200億円)に達し、ユベントスの商業的価値を10倍以上引き上げた選手をコントロールできる者は、誰もいなかった。

ロナウドが欠場する可能性が大きいことを察知して、後半途中にユベントス側に強力に抗議した関係者によると、「ユベントス関係者もロナウドの45分出場の条項を知っている。しかし“チームの仕事は監督が統制しており、ロナウドをプレーさせる方法は今のところない”という言葉しか返ってこなかった」という。

つまり、契約書が無用の長物だったということだ。Aマッチ以上の熱気があったこの日の試合は、ロナウド・ショックとともに歴史に残る一戦となった。

今回の惨事は、韓国市場や契約書の価値を軽視したユベントス及びロナウドに1次的な責任がある。

しかし、THE FESTA社と韓国プロサッカー連盟も責任を免れない。

ユベントスは今月、アジアツアーでトッテナム(シンガポール)、インテル (中国・南京)、そしてKリーグ選抜など、3チームと試合をしてイタリアに帰った。

もともと来韓試合の代わりに中国・北京でもう1試合をする予定だったが、中国事情によって取り止めになり、今年4~5月に韓国側に目を向けたという。

国内外のAマッチや海外クラブ招待試合を専門とするモロ・スポーツ社のチョン・ジェフン代表は、「ユベントス級のチームなら1年前から文書を行き来きさせながら、入念な準備が行われなければならなかったが、まずは進行期間が短すぎた。競技開催をあきらめてでもクラブ側に振り回されてはならないが、対戦料と各種要求などでエージェンシーが振り回されたのではないかという感じがある」と見る。

また、「THE FESTA社はこうした親善試合をした経験がない会社だ。初心者だけに、突発的な変化に対する計画も不十分だったようだ」とも話した。

来韓当日に試合をすること自体、無理があったということだ。

ユベントスは中国からチャーター機を乗って当日午前に来韓することになっていたが、台風などのアクシデントが発生し、結局、入国が7月26日午後3時前後になった。

ユベントスは7月27日午前1時にチャーター便に乗ってイタリアに戻ったが、韓国に滞在した時間は10時間前後だ。

有名歌手のコンサートもなく、グラウンドで90分間プレーしなければならないサッカーの特性を考慮すれば、THE FESTA社が受け入れた来韓日程もナンセンスだったという分析だ。 ユベントスが試合前日に韓国に到着していれば、ロナウドの出場はあったのではないかという見方もある。

韓国プロサッカー連盟は今回の事態をめぐって、主催社のTHE FESTA社に対し違約金を請求する計画だ。 連盟関係者は「今回の事態に対して違約金を請求せざるを得ない状況」と語っている。

しかし一部では、連盟が6月にソウルに来たユベントスのマーケティング関係者と協議していることなどを理由に、「今回の試合がオールスター戦の性格もあったことを考慮すれば、イベントの円滑な進行のために連盟がより積極的に介入すべきだった」という批判意見が少なくない。

たったひとりのスーパースターの出場を巡って国が沸き立ったが、結局、苦い教訓と傷だけが残った90分になった。

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