ベント韓国も森保ジャパンと同様に3バックを採用するも「2%足りなかった変化」

韓国代表がベント監督体制になって2度目に稼働した3バック戦術実験は、満足できる内容を作り出すことができなかった。

パウロ・ベント監督が率いる韓国代表は6月7日、釜山アシアード競技場で行われたオーストラリア代表との親善試合で3-5-2の戦術で臨み、 ファン・ウィジョの決勝ゴールで1-0の勝利を収めた。しかし、90分間の内容は満足な評価を得られなかった。

ベント監督は昨年8月の就任以来、4バックを基盤にした戦術を主に活用してきた。4-2-3-1または4-4-2のシステムを好んだ。

(参考記事:ガンバ大阪では停滞…それでも韓国代表がファン・ウィジョを信頼するワケ

しかし、1月のアジアカップ開幕を控えて行われた最終テストでサウジアラビア代表を相手に3-4-2-1を採用し、初めて3バックにした。サウジ戦は0-0で終了し、試合内容もあまり良くなかった。

ただ、当時は3バックが左サイドDFの負傷によって不可避な選択と評価された。また、就任後初の国際大会であるアジアカップを控え、Bプラン準備のために3バックをテストしたというものだった。

ベント監督はアジアンカップと3月のAマッチ2連戦では、いずれも4バックを使った。

しかし、6月Aマッチの最初の試合であるオーストラリア戦では3バックを採用するサプライズを試みたが、結果は今回も良くなかった。

左右ウイングバックのキム・ジンスとキム・ムンファンがかなり前までオーバーラップするなど、サイドを活用して攻撃の活路をこじ開けたいという意志を強く示した。しかし、サイドからボールがうまくつながらず、攻撃のビルドアップに苦労した。

ベント・コリアは攻撃の際に事実上3-2-5の形を維持した。

中盤を担ったチュ・セジョンとファン・インボムが前線にボールを円滑に運べなかったのが残念だった。相手のプレッシャーによってバックパスが多くなり、サイドチェンジする「線の太いパス」も予想より少なかった。両サイドのウイングバックを活用して相手の守備ラインを揺さぶろうとしたベント監督の狙いは、少なくとも前半45分間は効果を発揮しなかった。

また、攻撃陣営で頻繁なパスミスがあり、オフサイドも足を引っ張った。全体的に選手たちは3バックがまだ慣れていない様子だった。

一方、オーストラリア代表はベストメンバーが韓国遠征には参加しなかったが、前半は終始攻勢を続けながら脅威的な場面を何度も作った。前半10分に最初のシュートを放つと、その6分後のコーナーキックの状況では、ヘディングシュートがゴールポスト右を直撃。韓国の立場としては胸をなでおろした場面だった。

韓国は前半、印象的な攻撃シーンを作れなかった。

後半になると、もどかしい攻撃をなんとか持ち直そうとソン・フンミンが2列目まで降りてボールを受け取る場面が何回も出た。

積極的に動きスペースを作り出したソン・フンミンは、ペナルティーボックス内まで突破して脅威的な場面を作り出したが、結局、集中牽制に阻まれシュートを試みることにも苦労した。

ただ、後半は時間が経つほど韓国選手らが攻撃的な姿を見せ、前半よりは活気を取り戻した。特に後半中盤以降にファン・ウィジョ、ホン・チョル、ナ・サンホが次々に投入されると、攻撃は息を吹き返した。

結局、交替投入されたホン・チョルとファン・ウィジョの足先から決勝ゴールが生まれた。決勝ゴール以後は、オーストラリア代表も同点に追いつこうと攻撃に重きを置き、韓国もスペースを活用した積極的な攻撃に乗り出した。試合終盤、ソン・フンミンのシュートがゴールポストに当たってしまったのは惜しい場面だった。

いずれにしても、無失点勝利を収めた意味が大きい。ただ、オーストラリアが本来の主力メンバーである欧州組をほとんど招集せずに来韓したチームだったという点を考慮すると、1得点にとどまったことに関しては満足できない試合だった。

ベント監督は試合後、「新しいフォーメーションを活用したが、守備的には良い試合をした。その中で、前半よりは後半にさらに良い競技力を見せてくれた。相手の1次的な圧力を解決するのはなかなかよくできたが、攻撃展開やその対応では不足した部分もあった。わずか数日間手足を合わせたにしては、良い姿を見せた」と語ったが、課題が浮き彫りになる一戦だった。

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