『私たちの生涯最高の瞬間』という映画をご存じだろうか。韓国で2008年1月に公開されたこの映画は、2004年アテネ五輪で驚くべき闘魂を発揮して銀メダルを獲得した女子ハンドボール韓国代表の実話を基にした作品だ。
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当時、韓国代表は劣悪な競技環境を乗り越えてオリンピックで決勝の舞台に進み、7mスロー(ペナルティスロー)までもつれた末、デンマークに敗れた。それでも、決して最後まで諦めない血戦で国民に多くの感動と勇気を届けた。
かつての女子ハンドボール韓国代表は1988年ソウル五輪と1992年バルセロナ五輪で金メダルを獲得するなど、華やかな時期を送った。欧州以外では唯一、オリンピック金メダルを獲得した国だ。しかし、2000年代に入って以降は徐々に下降曲線を描いている。
現在行われている東京五輪では、銅メダルを手にした2008年北京五輪以来のメダル獲得を目指している韓国。だが、ここまでグループステージ2試合を終え、ノルウェーとオランダにいずれも敗れている。
グループ6チーム中4位まで決勝トーナメントに進出できるだけに、本日(7月29日)行われる第3戦では勝利を欠かすことができない。特に、相手が日本なだけになおさらだ。
国際大会における“日韓戦”は、種目と関係なく選手たちの闘志が沸いてくるものだ。決して引き下がることのできない、必ず勝たなければならない一戦だ。
今大会の女子ハンドボール韓国代表は、国内コリアリーグの“絶対強者”である釜山施設公団のメンバーが主軸だ。ベテランのリュ・ウンヒ(31)やシム・ヘイン(33)、イ・ミギョン(29)ら7人の選手がそろっている。チームを指揮するのも、釜山施設公団を率いるカン・ジェウォン監督だ。
日本戦の見通しは楽観的だ。女子ハンドボールにおいて、韓国はこれまで日本に特に強さを見せてきた。直近行われた直接対決でも、2019年6月の日韓定期戦で31-20の完勝を収めている。
東京五輪女子ハンドボールの“日韓戦”は午後2時15分に東京の国立代々木競技場で行われる。ここ2試合で勝利がない韓国は、日本戦含め3試合を残している。
韓国は日本戦での勝利を足場に、残り3試合で最大限勝ち点を稼がなければならない。東京五輪版の『私たちの生涯最高の瞬間』を期待したいところだ。
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