日本サッカーの新型コロナウイルスに対する防疫に、穴が開いた。
日本政府は現在、新型コロナの世界的な感染拡大にもかかわらず、東京五輪を強行しようとしている。しかし日本は新型コロナの検査件数が韓国に比べて著しく低く、消極的な“防疫態度”を見せている。
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そんななか、日本オリンピック委員会(JOC)副会長であり、日本サッカー協会(JFA)の首長でもある田嶋幸三会長が3月17日、新型コロナ検査の結果、陽性反応を示した。結局のところ、恐れていた関係者の感染が起きたわけだ。
欧州や北米などに出張した田嶋会長の感染によって、日本スポーツ界の防疫に穴が開いたことになる。田嶋会長は同日、東京にあるJFAハウスで理事会後の記者会見を行う予定だったが、感染の懸念によってスケジュールがすべてキャンセルされ、JFAハウスまで閉鎖された。
JFAハウスが日本サッカーの中心であるだけに、日本サッカー界全体への感染拡大を懸念するしかない状況だ。
しかし田嶋会長は同日の声明で、「現在の体調は多少熱があり、検査したところ肺炎の症状もあるそうですが、元気です」と重症ではないことを強調した。何よりも彼は、日本サッカー界への感染拡大の可能性について線を引いた。
田嶋会長は「2月より、私たちサッカー協会は常にビル内での消毒などどこでもできるよう徹底してきた」とし、「2 月26日から在宅勤務などを行い、新型コロナウイルスに対する対策を実施してきた」と説明した。
JFAハウスは協会職員200人をはじめ、Jリーグ連盟職員190人が入居した業務施設だ。去る3月14日にも村井満Jリーグチェアマンや原博実Jリーグ副理事長などが理事会に出席したと伝えられたが、ビデオ会議で行われたため、感染のリスクはなかったことが確認された。
それでも田嶋会長は3月8日に海外出張から戻り、JFAハウス内の執務室に数日間通勤していたため、関係者の感染リスクは残っている。スタッフのほとんどが在宅勤務をしているが、JFAとJリーグ連盟が同じ建物に入居している以上、多くのサッカー関係者が業務的に行き来するしかない特性を持っている。
動線が重なるしかないビルの特性上、田嶋会長をきっかけとした別の感染者が出てしまう可能性は排除できない。
さらに田嶋会長は海外出張中、女子サッカー日本代表の選手たちと接触した可能性を提起された。
3月18日の『サンケイスポーツ』によると、田嶋会長は3月5日にアメリカで開かれた国際親善大会「シービリーブス杯」を視察。同メディアは「スペインに1-3で敗れた日本代表“なでしこジャパン”の選手、スタッフと接触した可能性がある」と指摘している。
一方で国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は3月17日、東京五輪の正常開催を強調した。田嶋会長のコロナ感染、いわゆる“田嶋ショック”が広がった場合、IOCも日本政府もその立場を堅持することは難しいだろう。
この時点で、元厚生労働省大臣の舛添要一氏も同じ意見を見せた。
彼は3月18日、SNSを通じて「田嶋会長が、新型コロナウイルスに感染していたが、今や大会を運営する責任者の会合も危険に。欧米では、各種スポーツの国際大会が延期になりつつある。その流れの中で東京五輪のみ予定通りとはいかないだろう」と指摘した。
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