惜しくもUEFAチャンピオンズリーグで決勝トーナメント進出を逃したザルツブルク(オーストリア)。そのなかでも、日本代表MF南野拓実(24)やノルウェー代表アーリング・ハーランド(19)らとともに、韓国代表FWファン・ヒチャン(23)も目を見張る活躍を披露した。
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これまでCLでは予選プレーオフ4試合の出場記録に留まっていたファン・ヒチャンだが、今シーズンのグループステージでは躍動してみせた。
チームは12月11日の最終節リバプール戦で敗れたことで決勝トーナメント進出を逃したが、試合が行われたレッドブル・アレーナには欧州ビッグクラブのスカウトがファン・ヒチャンのプレーに注目していた。
試合翌日、英メディア『テレグラフ』は「ウルヴァーハンプトンが今冬の移籍市場でファン・ヒチャンを目標のひとつに設定した。ディレクターのケビン・テルウェル氏は、直接彼を見るべくザルツブルクへ渡った」と報じた。
また、同メディアは「ファン・ヒチャンの移籍は来夏が有力だが、1月に契約を結んだ後、今シーズンはザルツブルクでプレーを続ける可能性もある。移籍金は最大2500万ユーロ(約30億円)が必要だろう」と詳細も報じた。
以前、アーセナルやクリスタル・パレスなどプレミアリーグへの移籍が噂されたが、新たに出てきた移籍話だ。
今回のCLグループステージで、ファン・ヒチャンは自身の能力を十分に証明した。グループステージ6試合すべてで先発出場し、3ゴール3アシストを記録した。
特に、序盤戦で強烈なインパクトを残した。初戦のヘンク戦では右足でCL初ゴールを決めると、衝撃のハットトリックを見せたハーランドへの2アシストも挙げた。
そして、アウェーでのリバプール戦では、前半39分にフィルジル・ファン・ダイクを鋭い切り返しで抜き去り得点したシーンが、現地で大きな話題を呼んだ。
現代最高のDFとして名高いファン・ダイクが、相手FWのフェイントに翻ろうされる姿は普段見られる光景ではない。だが、この試合の後半には南野のゴールをアシストするなど、昨シーズンCL王者相手に堂々たるプレーを見せつけた。
ファン・ヒチャンの次なる欧州の舞台は、CLの下位に当たるヨーロッパリーグ(EL)の決勝トーナメントとなる。
ELにも、ミラン(イタリア)やバイエル・レバークーゼン(ドイツ)、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)などといった欧州屈指のチームがそろっている。
さらなるステップアップが期待されるファン・ヒチャンにとっては、活躍を披露できる絶好の機会となるだろう。
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