WBSCプレミア12の連覇を狙う野球韓国代表が初戦でオーストラリアと対戦し、5-0で完勝した。
試合内容は申し分なかった。しかし別の意味では惨敗だった。興行的に失敗したのだ。
そもそも4年前に行われたプレミア12で優勝した韓国は、ディフェンディングチャンピオンとして今大会に臨んでいる。何よりも2020東京五輪の出場権をかけた大会でもある。
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10月11日に初招集され、1カ月近くもトレーニングを積んだ韓国代表は、プエルトリコとの2度の親善試合に完勝し、良い雰囲気のなかで大会初戦を迎えた。
親善試合で見せた韓国代表の実力が期待以上だったため、スーパーラウンド進出をかけて行われる大会初戦にも、多くの観客が訪れるだろうという期待が大きかった。
実際に韓国は、オーストラリアを相手にヤン・ヒョンジョンの好投などで、終始試合の主導権を握って勝利した。試合が行われたソウル高尺(コチョク)スカイドームに駆けつけた観客も、韓国選手のプレー一つひとつに大きな歓声を上げた。
しかし、その人数は少なかった。この日の試合前、オンライン前売りを通じて購入された入場券は約5700枚に過ぎなかった。1万6300人を収容可能な高尺ドームで、3分の1しかチケットが売れなかったわけだ。
実際に、内野席も外野席も空席が目立った。残りの座席に対して、試合開始直後から現場販売が行われたが、観客が増えることもなかった。試合後半に入っても空席は埋まらなかった。
結局、韓国対オーストラリアの試合に訪れた観客数は5899人にとどまった。
この観客数の少なさは、韓国プロ野球の観客減少にもつなげて見ることができる部分だろう。今シーズンは競技力の低下、頻発する事件・事故、成績の両極化などで、韓国プロ野球の人気が下落した。シーズンを通して“韓国プロ野球の危機”という言葉が付いて回った。
2017年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)後、2年ぶりに韓国内で開催される国際大会だったが、去っていった大衆の関心を集めるには力不足だった。オーストラリア戦の結果に基づいて国内で行われる残り2試合の観客数が増える余地はあるが、初戦から明らかになった興行の不振に対する落胆は大きい。
国際大会を通じて野球人気の回復を目指す韓国野球委員会(KBO)の悩みも、より深くなっている。
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