本当の姿は危機の中で露わになる。
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マンチェスター・ユナイテッドとトッテナムは、お互いまったく異なる行動によって、正反対の評価を受けている。
新型コロナウイルス感染症の影響でプレミアリーグが中断されている中、各クラブは深刻な財政難に苦しんでいる。
放映権や広告、ホーム試合収益がすべて無くなった今、選手やクラブ職員の人件費問題に直面しているのだ。
困難な状況でも、マンUはクラブの財政から職員の雇用と給与を保障することにしている。
イギリス政府は、新型コロナで経営が厳しい企業のため、職員解雇制度を導入した。職員を臨時解雇する代わり、政府が給与を一部補填するという方式だ。
マンUは900人規模の職員が務める企業であることから、人件費の負担も大きい。にもかかわらず、政府の制度を利用せず従来通り給与を支給している。以前から商業活動に注力してきたからこそ、巨額の資金で職員を助けることができているのだ。
そこに加え、選手たちも自発的に給与の30%を返上することを決めた。過去数シーズンの成績は決して良いとは言えないが、クラブ発展のために努力する職員を待遇する姿が、プレミアリーグ内の手本となっている。
キャプテンのハリー・マグワイア(27)は、クラブ職員に応援メッセージ映像を送ったり、故郷の高齢者のために食料品を寄付したりするなど、その善行が評価されている。
一方、近年ビッグクラブとして台頭しているトッテナムには批判が相次いでいる。
トッテナムはいち早く政府の制度を活用し、クラブ職員を解雇しようとしたが、ファンからの大きな反発によって態度を変えた代表的なクラブだ。解雇を決めた後、リバプールが解雇撤回方針を示したことでトッテナムも遅れて決定を取り消したが、批判は避けられなかった。
最近では、成績不振によって不名誉ながら更迭されたマウリシオ・ポチェッティーノ前監督の残余年俸を削減しようとする動きも見られている。すでにクラブを離れている人間の給与にまで手を出したニュースは、さらなる批判を呼んだ。
トッテナムのオーナーであるジョー・ルイス氏が、個人資産43億5800万ポンド(日本円=約6601億8000万円)を保有するイギリス屈指の大富豪であることも指摘されている。
ルイス氏は“タックス・ヘイヴン”として有名なバハマに主に滞在し、全長68mにもなる大型ヨットも所持している人物だ。
イギリスメディア『デイリー・メール』は、ルイス氏がクラブの危機的状況でオーナーの役割を“知らん振り”しているとし、その問題意識に疑問を投げかけている。
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