韓国宗教団体「アガドンサン」と教祖のキム・ギスンが、米Netflix本社と韓国MBC、そしてドキュメンタリー番組『すべては神のために:裏切られた信仰』を手がけたチョ・ソンヒョンPDを相手に損害賠償を請求した。
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韓国法曹界によると、アガドンサンは3月21日、上記3者を相手に3億ウォン(約3000万円)の損害賠償請求訴訟を起こしたという。
先立ってアガドンサンは同月8日、MBC、チョPD、Netflixを相手に放送禁止仮処分申請書を出していた。だが20日、MBCとPDに対する申請だけを残し、Netflixサービスコリアの仮処分は取り下げる、放送禁止仮処分申請の一部取り下げ書を提出した。
一方、ソウル中央地裁は24日、アガドンサンとキム・ギスンが、MBCとチョPDを相手取って起こした放送禁止仮処分審問を開いた。
同日の尋問でアガドンサン側の代理人は、教祖キム・ギスンが1997年の殺人および詐欺などの疑いに対して、すでに裁判所で無罪判決を受けた点を言及。そして「(番組は)依然として、申請人(キム・ギスン)が殺人犯ではないかという強い疑いを持たせている」と主張した。
そしてMBC側の代理人は「母親が息子の死を容認し、両親が娘に対する集団暴行指示を履行した。給料なしで働かせて権利を与えないこと、これがアガドンサン内部で起きたということを言いたかった」と反論。続けて「普遍的な倫理が、どのように宗教という美名の下で歪曲されうるのか告発し、警戒したかった」と説明している。
裁判所は双方の言い分を確認したあと、「4月7日までを資料提出期限とし、決定はその後にする」と明らかにした。
なお、裁判所がアガドンサン側の放送禁止仮処分申請を受け入れても、すでにNetflixに対する申請は取り下げられたため、これを履行するよう強制する手段はない。
そのため裁判所は、「(仮処分申請を)Netflixを相手にすべきであり、製作者であるMBCやチョPDを相手に仮処分を求めるのは遅すぎるのではないか」と指摘。
これに対しアガドンサン側の代理人は、Netflix契約書にこのような状況に備えた処理条項がある可能性を提起した。MBCの資料提出を要請したあと「Netflixに関する法的責任問題は損害賠償訴訟で十分に争うことができると考える」と答えた。
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