未成年セクハラ騒動で物議を醸すも、来年2月の四大陸選手権への出場資格を獲得した韓国女子フィギュアスケート選手イ・ヘイン(19)が意気込みを語った。国家代表に本格復帰し、2026年のミラノ冬季五輪に必ず出場するという覚悟を抱いている。
イ・ヘインは12月17日、ソウル高尺洞(コチョクドン)のジェニススポーツクラブ・アイスリンクで後輩選手たちと公開練習を行い、練習後にインタビューに応じた。
今月1日に行われた「2024 KB金融 全国男女フィギュアスケート会長杯ランキング大会」以来、再び報道陣の前に登場したイ・ヘイン。明るい表情で後輩たちとスケートに励み、助言も積極的に伝えていた。
イ・ヘインは数カ月間、苦しい時間が続いた。今年5月、イタリア・ヴァレーゼで行われたフィギュアスケート韓国代表の合宿中に飲酒行為、さらには未成年で異性の後輩選手に対するセクハラ行為が発覚する騒動が起きたからだ。
これによって3年間の国家代表資格停止処分を受け、処分軽減を求めて請求した再審議も却下され、懲戒が確定した。
これに対し、イ・ヘインが裁判所に懲戒効力停止の仮処分を申請すると、裁判所側は11月にこれを引用する決定を下した。このため、イ・ヘインは一時的に選手資格を回復し、再びリンクに立つことができるようになった。
こうして、先日行われた2025-2026シーズンの国家代表1次選抜戦を兼ねた「2024 KB金融 全国男女フィギュアスケート会長杯ランキング大会」に出場。同大会を最終5位で終えると、来年2月にソウルの木洞(モクドン)室内スケート場で開催される「ISU 四大陸フィギュアスケート選手権大会 2025」の出場権を獲得した。
これは、「2024年7月1日基準で17歳以上の選手のみ」と定められたISUの規定によって、出場年齢資格(満17歳以上)を満たす選手内で3位に入ったためだ。
イ・ヘインは2025年1月に行われる「第79回全国男女フィギュアスケート総合選手権大会」にも出場する。同大会は国家代表2次選抜戦を兼ねており、国家代表は1次・2次選抜戦の結果を合算して最終決定される。イ・ヘインが代表復帰するには、総合選手権でも好成績を挙げる必要がある。
「来年2月の四大陸選手権に出場することになった。1月には総合選手権もある。緊張している。ストレスを受けて負担を感じるよりも、楽しむ心を持とうと思う。ありがたい機会を得た。楽しみながらやれば、良い姿をお見せすることができるのではないかと思う」
そう語るイ・ヘインは、苦しい時間を経て心構えが変化したという。「これまでも本当に感謝の気持ちを持っていたし、楽しく滑っていた。ただ、今回の機会を通じて、その事実を身にしみて感じた。自分自身に集中しながら、他人のことも考えなければならないという点も学んだ」と語る。
また、「ファンが助けてくれなければ崩れ落ちてしまうところだった。たくさんのメッセージをくださったし、お手紙もくださった。毎日読みながら泣いていた」と付け加えた。
目標は2026年のミラノ冬季五輪出場だ。そのためには、まず総合選手権と四大陸選手権の両大会でいずれも良い姿を残さなければならない。
「五輪に本当に出場したい。まずは目の前の大会に集中したい。これを経て五輪まで見据える。それが目標だ」とイ・ヘインは強調した。
イ・ヘインを指導するチ・ヒョンジョン・コーチは、「現在、イ・ヘインのコンディションは70~80%程度だ。準備ができている者にチャンスが訪れる。メダルを獲得できる位置にいた選手だ。五輪まで1年半ほど残った。五輪のメダルを考えながらトレーニングをしようと思う。たくましい選手だ。自分の仕事に最善を尽くしている」とイ・ヘインを評価していた。
◇イ・ヘイン プロフィール
2005年4月16日生まれ。韓国・大田広域市出身。身長164cm。大韓民国のフィギュアスケート選手。高麗大学在学中。幼少期から“キム・ヨナの後継者”として将来を期待された有望株。2023年3月の四大陸選手権でキム・ヨナ以来14年ぶり、韓国勢史上2人目の金メダルを獲得。同年4月の世界国別対抗戦では韓国の銀メダル獲得に貢献した。2024年6月、同年5月にイタリア・ヴァレーゼで行われた代表合宿で発覚した宿舎での飲酒行為、未成年で異性の後輩選手へのセクハラ行為により、3年間の国家代表資格停止処分を下された。同年8月29日に大韓体育会スポーツ公正委員会の再審議を受けたが棄却。その後、裁判所に懲戒効力停止の仮処分を申請し、11月12日にソウル東部地裁がこれを引用する判決を下した。
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